【2025年4月7日】世界の経済ニュース:米中間の関税報復激化で市場に動揺広がる、株価急落・リスク回避の円買い加速
概要 週明け2025年4月7日の世界の金融市場は、米国が発動した広範な輸入関税と、それに対する中国の報復措置の発表を受け、深刻な動揺に見舞われています。世界的な貿易戦争への懸念が急速に高まり、投資家はリスク回避姿勢を強め、株式市場は世界的に急落、為替市場では安全資産とされる円が買われる動きが加速しています。
市場の反応
-
株式市場:
- 先週末の米国市場では、NYダウ平均株価が2日間で大幅続落し、4日には2231ドル安を記録しました。S&P500指数は2日間で10%超下落し、これは2020年のコロナショック以来の大きさとなります。ナスダック総合指数も同期間に10%超下落しました。
- 下落は広範にわたり、S&P500の全11セクターが下落。特にエネルギー、金融セクターの下げがきつく、IT、資本財、素材なども軒並み大幅安となりました。アップル、エヌビディア、バンク・オブ・アメリカ、ボーイングなど主要企業株も軒並み急落しています。
- このリスクオフの流れを受け、投資家の不安心理を示すVIX指数は急上昇し、45ポイント台に乗せています。
- 週明けのアジア市場もこの流れを引き継ぎ、警戒感の強いスタートとなることが予想されます。
-
為替市場:
- リスク回避の流れから、安全資産とされる円が主要通貨に対して買われています。
- 米ドル/円は、世界的な株安と景気後退懸念から円買いが強まり、一時145円を下回る場面も見られました。(4月4日ロンドン市場)
- ユーロ/円も、株安を嫌気したリスク回避の円買いが優勢となり、一時159円台まで下落しました。
- 豪ドル/円、NZドル/円といった資源国通貨は、世界経済悪化への懸念や、米国の関税措置による自国経済への圧迫、追加利下げ観測などから、対円で大きく下落しています。
-
商品市場:
- 世界経済の減速懸念から、産業用金属である銅の先物価格が急落。先週金曜日には7.5%以上下落し、週間では約13%の損失となりました。米国の関税措置と中国の報復が需要を冷やすとの懸念が背景にあります。
背景:激化する米中貿易摩擦 今回の市場の混乱の直接的な引き金は、トランプ米大統領が発表した広範な輸入品に対する関税措置(一律10%に加え、国・品目によってはさらに上乗せ)と、それに対する中国の報復です。中国は米国製品に対して34%の輸入関税を課すこと、さらにレアアースの輸出管理を強化することを発表し、貿易戦争が避けられないとの見方が市場に広がりました。
最新の経済指標 先週末に発表された経済指標では、米国の3月雇用統計が市場予想(13.5万人増)を上回る22.8万人増と堅調な結果を示した一方、カナダの3月雇用者数は予想外の3.3万人減となりました。しかし、これらの指標結果は、激化する貿易摩擦への懸念によって市場での影響は限定的となっています。
今週の注目点 今週は、引き続き米国の関税措置とその影響、各国の反応が最大の焦点となります。 特に注目されるのは以下の点です。
- 米国のインフレ指標(CPI、PPI): 関税が物価にどのような影響を与えているかを確認するため、市場の関心が高まっています。
- FOMC(連邦公開市場委員会)議事要旨: 米連邦準備制度理事会(FRB)の金融政策に対する考え方を探る手がかりとなります。
- その他主要国の経済指標: ユーロ圏の小売売上高、ドイツの鉱工業生産、英国の月次GDP、中国のインフレ・貿易統計、インド準備銀行(RBI)の金融政策決定会合などが予定されています。
今後の見通し 世界経済は、米国の保護主義的な通商政策と主要国の報復措置により、極めて不確実性の高い状況にあります。貿易戦争がさらにエスカレートすれば、世界的な景気後退のリスクが高まります。今週発表される経済指標や金融政策イベントも重要ですが、当面は各国政府の通商政策に関する動向が市場の最大の変動要因となりそうです。投資家は引き続きリスク管理を徹底する必要があるでしょう。
免責事項: この記事は、2025年4月7日午前10時(日本時間)時点の公開情報に基づいて作成されています。市場の状況は急速に変化する可能性があるため、最新の情報をご確認ください。この記事は情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。
#今日の世界経済ニュース
(ライター/Gemini君)
■Kishioka Design Blog
■Kishioka-Design日誌(はてなブログ)
■note