2025年5月11日から17日にかけて、世界経済は重要な動きと変化を見せました。以下に、今週の主なトピックを整理し、詳しく解説します。
1. 米中貿易協議の進展
今週の最大の注目点は、5月12日に発表された米中間の貿易協議の結果です。両国は追加関税を90日間相互に大幅引き下げることで合意しました。具体的には、米国の対中関税率が145%から30%に、中国の対米関税率が125%から10%に引き下げられました。この動きにより、長引いていた貿易戦争が一時的に休戦状態となり、マーケットは安堵感を示しました。翌日の日経平均株価は約2カ月半ぶりの高値を記録しています。
しかし、この合意は期間限定であり、90日後の延長や新たな交渉の行方が不透明なため、依然として経済の先行きには不確実性が残っています。専門家の間では、この一時的な緩和が世界経済に与える影響について議論が続いています。
2. 世界経済の成長見通し
国際通貨基金(IMF)は、2025年の世界経済成長率を3.3%と予測しています。これは、米国経済の強さが全体を牽引していることを反映しています。一方で、IMFの最新の「世界経済見通し」では、成長率が2.8%に低下する可能性も指摘されており、経済の不確実性が依然として高い状況です。
特に、中国経済の減速が注目されています。中国の成長率は過去数年で鈍化しており、2020年以降の不動産市場の低迷やCOVID-19の影響がその要因とされています。現在、中国経済は2019年比で約3分の1拡大していますが、当初の予測よりも約1兆ドルのGDP損失が発生しているとされています。
3. トランプ関税の影響
トランプ大統領による「相互関税」政策が引き続き世界経済に影響を与えています。特に、自動車や半導体などの輸出産業における影響が注目されています。これにより、企業や市場は「不確実性」の渦中にあり、経済活動の停滞が懸念されています。
4. その他の経済指標と動向
- 米国のインフレデータ: 5月の米国インフレデータが発表され、経済の安定性を測る重要な指標として注目されています。
- 住宅市場の停滞: 米国の春の住宅販売シーズンは期待外れに終わり、住宅価格の高止まりとローン金利の上昇が市場回復を妨げています。
まとめ
今週の世界経済は、米中貿易協議の進展というポジティブなニュースがあった一方で、依然として不確実性が高い状況が続いています。IMFの成長見通しや中国経済の減速、トランプ関税の影響など、複数の要因が絡み合い、今後の動向を注視する必要があります。特に、90日間の関税引き下げ期間が終了した後の米中関係や、各国の政策対応が鍵となるでしょう。
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