【今週のITニュースまとめ】2025年6月29日~7月5日:AIの進化と規制、Appleの新提案、セキュリティの懸念など
2025年も折り返し地点を過ぎ、IT業界では引き続きAI技術の進化と、それに伴う規制や倫理的課題が注目を集めています。今週(2025年6月29日~7月5日)も、国内外でさまざまな動きがありました。以下に、特に注目すべきニュースをピックアップしてご紹介します。
1. Appleが「スマホソフトウェア競争促進法」に12の提案を提出
Appleは、スマートフォン市場の競争を促進するための新たな法案「スマホソフトウェア競争促進法」に対して、12項目にわたる提案を提出しました 。この法案は、アプリストアの運営やOSの独占的な仕様に対する規制を目的としており、Appleは自社のセキュリティやユーザー体験を損なわない形での対応を模索しています。
特に注目されたのは、iPhoneのマイナンバーカード対応がiOS 18.5以降で正式にスタートしたことです。これにより、スマートフォンが公的認証手段として活用される道が開かれ、行政手続きのデジタル化がさらに進展する見込みです 。
2. AIによる価格設定に「カルテルのリスク」:公正取引委員会が指針を発表
AIを活用した自動価格設定が普及する中、公正取引委員会は「カルテルのリスク」に関する指針を発表しました 。複数の企業が同様のAIアルゴリズムを使用することで、意図せず価格が同調し、競争が阻害される可能性があると警告しています。
この指針は、AIの透明性と説明責任を求める動きの一環であり、企業に対してはアルゴリズムの設計と運用において独立性を保つよう求めています。AIの活用が進む一方で、倫理的・法的な枠組みの整備が急務となっています。
3. YouTubeに著名投資家の音声を合成した偽広告が登場
今週、YouTube上で著名投資家の音声をAIで合成した偽広告が確認され、詐欺の新手口として話題になりました 。この広告は、実在する人物の声を使って投資を促す内容で、視聴者を詐欺サイトへ誘導する仕組みです。
4. Midjourneyが動画生成AI「V1」を発表
画像生成AIで知られるMidjourneyが、初の動画生成モデル「V1」を発表しました。このモデルは、1枚の静止画像から最大21秒の動画を生成できるというもので、クリエイティブ業界に大きなインパクトを与える可能性があります。
動画生成AIは、広告、映画、教育など多岐にわたる分野での応用が期待されており、今後の進化によっては人間の手による映像制作のあり方が根本から変わるかもしれません。
5. Claude日本版が登場へ:Anthropicが日本事務所を開設
AIチャットボット「Claude」を開発するAnthropicが、2025年秋に日本事務所を開設することを発表しました 。これにより、日本語対応のClaudeが正式に登場する見込みで、国内企業や教育機関への導入が加速すると見られています。
Claudeは、倫理的なAI設計を重視しており、OpenAIのChatGPTとは異なるアプローチで注目を集めています。日本市場への本格参入は、AI競争の新たな局面を迎えることになるでしょう。
6. セキュリティ分野の動向:IPAが「情報セキュリティ10大脅威2025(個人編)」を公開
情報処理推進機構(IPA)は、「情報セキュリティ10大脅威2025(個人編)」の解説冊子を公開しました 。この中では、フィッシング詐欺、SNSの乗っ取り、偽アプリのインストールなど、個人が直面する脅威が具体的に紹介されています。
特に、生成AIを使ったフィッシングサイトの作成が新たな脅威として浮上しており、大阪府警が関連容疑で2人を逮捕した事件も報じられました。AIの進化に伴い、セキュリティ対策も高度化が求められています。
まとめ:AIと規制のバランスが問われる時代へ
今週のITニュースを振り返ると、AI技術の進化が加速する一方で、それに伴う規制や倫理的課題が浮き彫りになっていることがわかります。Appleの提案や公取委の指針、セキュリティ対策の強化など、技術と社会の接点における議論が活発化しています。
今後も、AIを中心とした技術革新が続く中で、私たち一人ひとりがその影響を理解し、適切に対応していくことが求められるでしょう。
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