Kishioka-Designの日誌

Adobe/Flmora/Canva/STUDIO/CopilotなどのソフトウェアやIT関連の情報をお伝えするブログです。

2025年7月13日~7月19日:今週のITニュースヘッドライン

2025年7月13日~7月19日:今週のITニュースヘッドライン

2025年7月第2週:AIとテクノロジーの進化が加速する一週間

2025年7月13日から7月19日の期間中、IT業界では人工知能(AI)の進化、ロボット技術の実用化、そして半導体分野における重要な進展など、多岐にわたる注目すべきニュースが報じられました。これらの技術革新は、私たちの生活や社会構造に大きな影響を与える可能性を秘めています。
 

【AI技術の飛躍的進化】

今週、AI分野では医療、インターフェース、そして企業買収といった多様な側面で大きな動きが見られました。

AI外科ロボットによる完全自律手術の成功

ジョンズ・ホプキンズ大学の研究チームは、AIを搭載した外科ロボットが豚を対象とした胆嚢摘出手術において、7回連続で成功を収めたと発表しました。これは、完全自律制御による手術の実用化に向けた重要な一歩であり、将来的に遠隔医療の普及や、医師不足に悩む地域における医療アクセスの格差是正に貢献する可能性を秘めています。この技術の進展は、医療分野におけるAI活用の新たな道を開くものとして、大きな期待が寄せられています。

OpenAIの会話型AIブラウザ「Talk-to-Web」発表

AI技術のパイオニアであるOpenAIは、会話型ブラウザ「Talk-to-Web」を近日中に発表すると報じられました。この新しいブラウザは、検索や投稿などの操作を音声で行うことを可能にし、ユーザーインターフェースに革命をもたらす可能性があります。スマートフォンに触れることなく情報収集や予約、投稿が可能になる一方で、AI推論に伴う電力負荷の増大が課題として指摘されており、今後の電力コストとのバランスが注目されます。この進展は、人間とデジタルデバイスとのインタラクションのあり方を根本から変えるかもしれません。

Metaによる音声クローンAI企業「PlayAI」の買収

大手テクノロジー企業Metaは、音声クローンAI企業「PlayAI」を完全に買収したことを明らかにしました。この買収は、Metaがソーシャルネットワーキングサービス(SNS)や教育分野における音声生成技術を強化する戦略の一環と見られています。これにより、将来的にはSNSやeラーニングのプラットフォームで、ユーザー自身の声をリアルに再現・活用できるようになる可能性があり、デジタルコミュニケーションの表現力が飛躍的に向上することが期待されます。

NTTの画期的な「ポータブルチューニング」技術発表

NTTは、生成AIの運用コストを抜本的に削減する新技術「ポータブルチューニング」を発表しました。この技術は、企業や組織が基盤モデルを更新する際に、これまで必須であった特化モデルの再学習を不要にするものです。従来の方式では、基盤モデルが更新されるたびに高額な再学習コストが発生していましたが、「ポータブルチューニング」では、基盤モデルの出力を調整する独立した「報酬モデル」を学習・再利用することで、学習内容を別の基盤モデルにも引き継ぐことが可能になります。この革新的な成果は、7月13日から19日までカナダ・バンクーバーで開催される機械学習分野の国際会議「ICML 2025」で発表されました。この技術は、企業が生成AIをより効率的かつ低コストで導入・運用することを可能にし、AIの社会実装を加速させるでしょう。

ロボット技術の社会実装と未来への展望

今週は、ロボット技術の展示会やイベントが多数開催され、その社会実装に向けた具体的な取り組みが紹介されました。
大阪・関西万博における「未来づくりロボットWeek」開催
2025年大阪・関西万博では、7月13日から19日までの期間、「未来づくりロボットWeek」が開催されました。このイベントでは、日本を代表するロボット関連メーカーの技術が結集し、来場者はロボットと共存する未来社会をリアルに体験する機会を得ました。特に、World Robot Summit (WRS) 2025のフューチャーコンビニエンスストアチャレンジ (FCSC) が万博会場のEXPOメッセ「WASSE」で開催され、未来のコンビニエンスストアの実現を目指す競技が行われました。
競技大会では、金沢工業大学の「Happy Robot」や東京都立大学の「TAK」、立命館大学の「NaRiPa」など、多数のチームが参加し、商品の在庫管理や3Dフードプリンターによる調理、マイクロロジスティクスプラットフォーム、ロボットトイレのデモンストレーションなど、未来のコンビニサービスを具現化する様々なタスクが披露されました。これらの取り組みは、ロボットが従業員の負担を軽減し、顧客に新たなサービスを提供する可能性を示しており、近い将来、私たちの日常生活にロボットがより深く溶け込む未来を予感させます。
 

半導体産業とITインフラの動向】

IT産業の基盤を支える半導体分野と通信技術においても、重要なニュースが報じられました。

ラピダス、2ナノ相当半導体の試作成功

次世代半導体国産化を目指すラピダスは、北海道千歳市の工場で2ナノメートル相当の半導体の基幹部品の試作に成功し、動作を確認したと発表しました。これは「国内初」の快挙であり、国際的な競争が激化する半導体市場において、日本の存在感を高める上で極めて重要な一歩となります。先端半導体の開発・量産は、AIや高性能計算の進化に不可欠であり、この成功は日本のIT産業全体に波及効果をもたらすでしょう。

ASML、2026年の業績停滞を警告

半導体製造装置の世界大手であるオランダのASMLは、2026年の業績が停滞する可能性を警告しました。これはITサプライチェーン全体の健全性を示す指標ともなり、半導体市場の不確実性が高まっていることを示唆しています。同社の発表は、世界の半導体産業の動向に大きな影響を与える可能性があり、今後の市場の推移が注視されます。

NEC、次世代通信技術&ソリューション展に出展

NECは、7月30日から8月1日にかけて東京ビッグサイトで開催される「COMNEXT 第3回 次世代通信技術&ソリューション展」に出展することを発表しました。NECは、この展示会で「Improving Society with Innovation!~高度なNWとロボティクスが実現するAIネイティブ社会~」と題した特別講演を行い、高度なネットワークとロボティクスを組み合わせたAIネイティブ社会の実現に向けた取り組みを紹介します。また、大容量・超低遅延の光通信インフラがAIとメディアの融合を加速させるというテーマで、「ゲームチェンジの主役は“光”──AIとメディア 未来を変える2つの革命」と題した講演も行われる予定です。これは、ITインフラの進化がAIの発展をいかに支え、社会に新たな価値を生み出すかを示す重要な機会となるでしょう。
 

【その他の注目すべきIT関連ニュース】

GoogleによるWear OSへのGemini導入とCircle to Searchの新機能

Googleは、7月9日にWear OSウォッチへのGemini導入と、Circle to Search機能への新たなAIモードの統合を発表しました。これにより、ユーザーはWear OSデバイスでGeminiに質問したり、モバイルゲーム中にCircle to Searchで新キャラクターを特定したり、勝利戦略を見つけたりすることが可能になります。これは、AIが私たちの日常的なデジタル体験にさらに深く組み込まれていくことを示す動きです。
今週のITニュースは、AIが医療やインターフェース、企業戦略の中核を担い、ロボットが社会の様々な場面で実用化に近づいていることを明確に示しました。また、半導体技術の進歩は未来のIT社会を支える基盤を強化し、通信技術の進化がAIの可能性を広げていることも浮き彫りになりました。これらの進展は、私たちの生活をより便利で豊かなものにする一方で、新たな課題も提起しており、今後の動向が引き続き注目されます。
 
 
#今週のITニュースヘッドライン
 
■Kishioka Design Blog
■Kishioka-Design日誌(はてなブログ
■note