Kishioka-Designの日誌

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2025年7月20日~7月26日:今週のITニュースヘッドライン

2025年7月20日~7月26日:今週のITニュースヘッドライン

 
 

今週のIT動向を深掘り:サイバーセキュリティからAIの最前線、そして注目のイベントまで(2025年7月20日~7月26日)
2025年7月20日から7月26日までの今週も、IT業界では目覚ましい進化と課題が混在する一週間となりました。サイバーセキュリティの脅威が現実となる一方で、AIの能力は新たな高みに到達し、教育分野でのテクノロジー活用も加速しています。主要なニュースを振り返り、その背景にある意味を探ります。

サイバーセキュリティの脅威と対策

今週、サイバーセキュリティの領域では複数の重要な動きがありました。

CoinDCXへの大規模サイバー攻撃

インドの主要な暗号通貨取引所であるCoinDCXが、7月20日に約69億円(4,400万ドル)相当のサイバー攻撃を受けました。この攻撃は同社の内部運用に影響を及ぼしたとされており、暗号通貨業界におけるセキュリティ対策の喫緊の課題を浮き彫りにしています。企業は、日々巧妙化するサイバー攻撃に対し、より強固な防御体制を構築することが求められています。

Microsoft SharePointのゼロデイ脆弱性と緊急対応

7月21日には、Microsoft SharePointのオンプレミス版で、認証不要でリモートコード実行が可能な重大なゼロデイ脆弱性「CVE-2025-53770」が発覚しました。この脆弱性はすでに100以上の組織で侵害報告がされており、Microsoftは2019/Subscription Edition向けに緊急パッチを公開。2016年版のパッチも準備中と報じられています。米国サイバーセキュリティ・インフラストラクチャセキュリティ庁(CISA)は、この脆弱性を「既知の悪用されている脆弱性(KEV)カタログ」に追加し、即時遮断を勧告する異例の対応を取りました。
この事態は、多くの企業が基幹システムとして利用するSharePoint脆弱性が、いかに広範な影響を及ぼすかを示しています。企業は公開インターフェースの一時遮断、影響バージョンの確認とパッチ適用、証明書・サービスアカウントの再発行、そしてログの遡及調査といった緊急対応を迅速に行うことが求められます。また、このゼロデイ脆弱性は、7月のPatch Tuesdayで修正された別の脆弱性(CVE-2025-49704)のバイパスであることが判明しており、サイバーセキュリティのいたちごっこが続いている現状を示唆しています。

サプライチェーン攻撃への注意喚起

また、7月4日には中小企業がサプライチェーン攻撃の標的となりやすい理由とその対策についてのブログが更新されました。サプライチェーン攻撃は、セキュリティ対策が手薄な下請け企業を経由して、最終的に大企業や重要インフラを狙うものです。中小企業におけるセキュリティ意識の向上が、ITサプライチェーン全体の安全保障に不可欠であると再認識させられました。

AI技術の目覚ましい進展

AI分野では、その能力がさらに人間レベルに近づいていることを示すニュースが飛び込んできました。

数学オリンピックでのAIの「金メダル」獲得

GoogleとOpenAIが開発した新たなAIモデルが、国際数学オリンピック(IMO)2025の6問中5問を完答し、人間の金メダル水準に到達したと報じられました。これはAIが複雑な数学的問題で公式認証を得た初の事例となります。自然言語での証明生成や逐次推論を強化する「Deep Think」「Test-time Compute」といった技術が、この成果の鍵を握っているとされています。
この進展は、AIが単なるデータ処理ツールから、より高度な論理的思考や問題解決能力を持つ存在へと進化していることを示しています。今後、数理最適化や研究開発の分野で、AIを活用したPoC(概念実証)が加速する可能性を秘めています。

韓国におけるAIチップ開発の動き

韓国のFuriosaAIが、LG AI Researchと大型供給契約を締結し、Nvidia依存からの脱却を目指していることも注目すべき点です。これは、高性能GPUの調達先を多角化し、ベンダーロックインや価格高騰のリスクを分散しようとする動きの一環です。韓国政府も税制優遇で国産AIチップ開発を後押ししており、AI技術開発における国際的な競争が激化していることを示しています。

IT関連のイベントと教育

IT業界の最新トレンドを学ぶ機会や、次世代のIT人材育成に向けた取り組みも活発です。

Gartner ITコンファレンス・イベントの開催

ガートナー(Gartner)は、ビジネスの意思決定を加速させるためのITコンファレンスを多数開催しており、2025年7月には「CIO Leadership Forum」(7月9日~10日)と「セキュリティ&リスク・マネジメント サミット」(7月23日~25日)が予定されていました。
これらのコンファレンスでは、ガートナーのエキスパートによる専門セッション、参加者同士のネットワーキングセッション、そして最先端テクノロジーを持つベンダーによるソリューション紹介が行われます。特にセキュリティ&リスク・マネジメント サミットは、今週話題となったサイバー攻撃の脅威が高まる中で、企業がリスク管理の知見を深める上で重要な場となったことでしょう。

「あいちスタートアップスクール」中学生プログラムの実施

愛知県が主催する「あいちスタートアップスクール」では、中学生を対象としたプログラムが7月20日と7月26日の2日間にわたり、オンラインと複数の地域会場で同時開催されました。
このプログラムは、中学生が「身の回りの『不』」をテーマにチームで課題解決のアイデアを考え、起業家から直接経験談を聞くことで、起業に必要な学びと創造力を養うことを目的としています。将来のイノベーターを育成するためのこうした取り組みは、日本全体のIT・テクノロジー分野の発展に寄与するでしょう。

メタバース教育の推進

横須賀市では、「メタバースヨコスカEDUCATION 2025」の開講が決定したと報じられています。これは、メタバースといった先進技術を教育に活用する動きが地方自治体でも進んでいることを示しており、デジタル技術へのリテラシー向上と新たな学習体験の提供が期待されます。

まとめと展望

今週のITニュースは、サイバーセキュリティの喫緊の課題とAI技術の急速な進化という、光と影の両面を浮き彫りにしました。企業はセキュリティ対策を強化し、AIの活用によるビジネス変革を加速させる一方で、次世代のIT人材育成にも注力する必要があります。こうした動向は、来るべきデジタル社会において、より安全で革新的な未来を築くための重要なステップとなるでしょう。来週以降も、IT業界のダイナミックな動きから目が離せません。

 

 

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