王者撃破の美学。トッテナム、エティハドで見せた“完封の哲学”

2025年8月23日、プレミアリーグ第2節の注目カード、マンチェスター・シティ対トッテナムがエティハド・スタジアムで開催された。昨季王座奪還を目指すシティに対し、新体制で再建を図るトッテナムが敵地で堂々たる勝利を収めた。スコアは0-2。前半に奪った2点を守り切ったトッテナムが、開幕から2試合連続の完封勝利で勢いを加速させた。

試合展開

試合は序盤からシティがボールを支配し、ポゼッション率では60%を記録。オマル・マルムーシュがトッテナムDFの処理ミスを突いてシュートに持ち込むなど、ホームチームが押し込む展開が続いた。しかし、先制点を奪ったのはアウェイのトッテナムだった。
前半34分、パぺ・マタル・サールのヘディングによる落としからリシャルリソンが背後に抜け出し、最後はブレナン・ジョンソンが冷静にフィニッシュ。トッテナムが敵地で貴重な先制点を奪う。
さらに前半アディショナルタイム、シティのゴールキックを即座に奪ったトッテナムは、ジョアン・パリーニャが鋭いシュートを突き刺し、2点目を記録。エティハドに衝撃が走った。
後半に入ると、シティは反撃に転じる。アーリング・ハーランドが右サイドからのクロスにフリーでヘディングを放つも、枠を捉えられず。ラヤン・シェルキとの連携も噛み合わず、決定機を生かせない。
グアルディオラ監督はジェレミー・ドク、ベルナルド・シウバ、フィル・フォーデンら攻撃的な選手を次々と投入。だが、トッテナムの守備陣は集中力を切らさず、リシャルリソンをターゲットにしたロングボールで時間を稼ぎながら、シティの猛攻を封じ込めた。
試合終盤には両チームに複数のイエローカードが提示され、緊張感が高まる中、スコアは動かず。トッテナムが敵地での完封勝利を手にした瞬間、スタジアムには歓喜と落胆が交錯した。

スタッツハイライト

- スコア：マンチェスター・シティ 0－2 トッテナム
- 得点者：ジョンソン（34分）、パリーニャ（45+2分）
- ボールポゼッション：シティ 60%／トッテナム 40%
- 枠内シュート数：シティ 4／トッテナム 3
- イエローカード：両チーム合わせて5枚
- クリーンシート：トッテナム（2試合連続）

選手寸評

ジョンソン（トッテナム）
先制点を決めただけでなく、前線でのプレスも効果的。スピードと判断力が光った。
パリーニャ（トッテナム）
中盤でのボール奪取と追加点の冷静なフィニッシュ。攻守にわたり存在感を示した。
ハーランド（シティ）
決定機を迎えるも枠外。連携面でのズレが目立ち、孤立する場面も多かった。
シェルキ（シティ）
新加入ながら積極的に仕掛けるも、トッテナムの守備網に阻まれた。

戦術分析

トーマス・フランク監督率いるトッテナムは、PSG戦での教訓を活かし「ハイプレスへの耐性」「勇敢なボール保持」「疲労時の集中維持」という3つの原則を徹底。守備ブロックをコンパクトに保ちつつ、前線にはリシャルリソンを配置してロングボールで時間を稼ぐ戦術が奏功した。
一方のシティは、ポゼッションを重視しながらも、カウンターへの脆弱性を露呈。特に2失点目は自陣でのパスミスが原因で、GKトラフォードの判断ミスが響いた。グアルディオラ監督は正GK選びに頭を悩ませる展開となった。

ファンの反応

SNSでは「トッテナムが別チームのようだ」「フランク監督の戦術が機能している」「シティの守備が不安定すぎる」といった声が飛び交い、トッテナムの完封勝利に驚きと称賛が集まった。一方、シティファンからは「ハーランドが孤立している」「中盤の構成に問題あり」といった懸念の声も。

総評

この試合は、トッテナムの戦術的成熟とメンタリティの強さが際立った一戦だった。敵地エティハドでの完封勝利は、チームの自信を大きく高めるだろう。フランク監督の下で再構築されたスパーズは、今季のダークホースとなる可能性を秘めている。
一方のマンチェスター・シティは、ポゼッションの優位性を結果に結びつけられず、課題が浮き彫りに。次節のブライトン戦では、修正力と再起が問われる。