Kishioka-Designの日誌

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M5搭載でAIが加速する―新型iPad Proが切り開く“ポストPC”の未来

 
2025年10月、Appleは新チップ M5 を搭載した iPad Pro を正式発表しました。
従来モデル(M4搭載機)と比較して、AI性能・グラフィック処理能力・接続性能など、あらゆる面での底上げが強調されています。
この発表は、iPadが単なる“高性能タブレット”から、より「ノートPCに近づく存在」へと進化しようとする大きな転換点だと感じさせます。

M5 iPad Pro の強化点・注目ポイント

1. 圧倒的な AI 処理性能の向上

M5では、各 GPU コアに Neural Accelerator を統合した次世代 GPU アーキテクチャを採用。これにより、M4 比で AI関連演算性能が最大 4 倍以上 になると Apple は謳っています。
具体的には、生成 AI や画像処理、映像編集などでアプリが“より賢く、より速く反応する”場面が増えるでしょう。例えば、画像生成アプリや動画のアップスケーリング処理などで顕著な差を感じられそうです。
また、Neural Engine(16コアへ強化)も併せ持ち、CPU/GPU それぞれの AI 演算を補完する形で効率化が図られています。

2. GPU・グラフィックス性能&レイトレーシング強化

M5 はグラフィックス性能でもアップグレードを重視。特に、レイトレーシング性能が強化されている点が目を引きます。
Apple の公称スペックによれば、3Dレンダリングでは、M1 世代比で 最大 6.7 倍、M4 世代比でも 1.5 倍程度の高速化を謳っています。
ゲーム、3D モデリング、映像制作系アプリなど、GPU に負荷のかかる用途での実用性が一段と向上しています。

3. CPU とユニファイドメモリ強化

M5 の CPU は、性能重視コア × 4 と効率重視コア × 6 の構成(合計 10 コア)で構成されており、マルチスレッド性能も向上。
さらに、統一メモリ(unified memory)の帯域幅が 約 30 %増加(153 GB/s)という仕様になっており、CPU・GPU・Neural Engine 全体のパフォーマンスを底支えします。
ストレージ読み書き速度の改善も図られており、アプリの起動やファイル操作などの“もたつき”が軽減される見込みです。

4. ワイヤレス性能・ネットワーク周りの刷新

iPad Pro(M5)には、Apple 独自のワイヤレスネットワークチップ N1 が搭載され、Wi-Fi 7 をサポート。
また、Wi-Fi + Cellular モデルではモデムも刷新され、通信速度や効率性が向上。
これにより、クラウド連携や大容量ファイルのダウンロード・アップロードなど、ネットワークを使う処理でもストレスが減るでしょう。

5. デザイン・筐体まわりは据え置き

肝心の筐体デザインに関しては、大きな刷新はありません。サイズ構成(11インチ/13インチ)、カラー選択(スペースブラック/シルバー)は従来通り。
強化の中心は「中身(チップ、回路、性能)」にあり、外観に手を加えるというよりは内部進化を重視したアップグレードです。
なお、ストレージ構成は 256 GB~2 TB までのラインナップが用意され、256GB/512GB モデルでは統一メモリ容量が 12 GB に引き上げられたとの情報もあります。

価格・発売時期・日本での展望

Apple はこの M5 iPad Pro の予約注文を開始し、2025年10月22日から発売すると告知しています。
日本国内では、11インチモデルが 168,800円~、13インチモデルが 218,800円~ という価格設定が報じられています。
当然ながら、セルラーモデルや大容量ストレージ構成を選べば価格はさらに上昇するでしょう。
この価格帯は、iPad Pro がこれまで築いてきた「プロ用途タブレット」という位置づけを維持しつつ、従来モデルユーザーの買い替えや、ノート PC 代替ニーズを持つ層を意識した構成になっていると感じられます。
なお、M4 搭載モデルの整備済品/値下げ中古が出回る可能性もあり、コスト意識の高いユーザーにとっては「旧モデル+値下げ戦略」も選択肢として検討の余地があります。

どんな人にとって買い替え/導入価値があるか

M5 iPad Pro を選ぶ価値が特に高そうなユーザー像をいくつか挙げてみます:
  • 生成 AI や画像/映像編集を日常的に扱うクリエイター
    新しい Neural Accelerator や GPU 強化により、モデル生成やリアルタイムプレビューなどが快適になります。
  • 3D モデリングレンダリング用途で iPad を使いたい人
    レイトレーシング性能の向上は、リアルタイムレンダリング/視覚効果系アプリでの恩恵が大きくなる可能性があります。
  • 将来的に AI 機能を積極活用したアプリを使いたい人
    今後 iPadOS やアプリで AI 機能が推進される中、性能的な余裕を持っておくことは“先取り感”をもたらすでしょう。
  • ノート PC を持ち歩きたくないユーザー
    高性能と薄型軽量のバランスを追求するなら、M5 iPad Pro は最有力候補になります。
一方で、すでに M4 世代を使っていて極端に重い処理をあまりしない人や、コスト重視ユーザーにとっては、劇的なアップグレード感が実感しにくいこともあるでしょう。
 
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