Kishioka-Designの日誌

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M5搭載で進化!Apple Vision Proが描く“空間コンピューティング”の未来

 
2025年10月、Apple が「Apple Vision Pro」の最新版を発表しました。その目玉は、新たに M5 チップ を搭載したモデルです。従来モデル(M2 搭載)と比べて演算性能・グラフィックス性能が強化されており、空間体験のさらなる可能性が期待されています。Apple が掲げる「現実とデジタルをシームレスに融合させる体験」が、より自然で没入感のあるものへと進化したと言えるでしょう。

M5 Apple Vision Pro の主な特徴

●新しい処理基盤:M5 + R1 のデュアルチップ構成

このモデルの心臓部は、M5 チップ。visionOS の動作やグラフィック処理、機械学習モデルの実行などを担います。従来の M2 モデルと比較して、AI 処理速度は最大で “2倍速い” と公称されています。
加えて、R1 チップ がカメラ・センサー・マイクからのデータ処理に特化しており、わずか 12ミリ秒以内に映像をディスプレイにストリーミングするというリアルタイム性を実現しています。
こうした分業型アーキテクチャにより、視覚的な遅延や操作の違和感が抑えられ、自然な体験が可能になっています。

●ディスプレイと映像体験

それぞれの目に “4Kテレビを超えるピクセル数” を持つマイクロOLED ディスプレイを搭載。さらに、3枚構成レンズで視界全体に高精細な映像を届けようという設計です。
最大 120Hz のリフレッシュレートをサポートし、10% 多くのピクセルレンダリングする技術なども盛り込まれています。
また、空間オーディオにも力を入れており、耳近くに配置されたスピーカーとオーディオレイトレーシング技術によって、周囲環境を反映した音響が生まれます。

●フィット感と装着性

長時間使うデバイスだからこそ、装着感も重視されています。新しい デュアルニットバンド を採用し、上部と後方のストラップを個別に調整できる「フィットダイヤル」が設けられています。
光や迷光を遮る柔らかい ライトシーリング、磁石で取り付け可能なレンズ(処方箋対応の ZEISS Optical Inserts)、通気性を考慮した素材設計なども特徴です。

●バッテリーと稼働時間

電源は本体とは別のポケットサイズの外付けバッテリーによって供給されます。通常使用で最大 2.5 時間、映像再生なら最大 3 時間程度の連続駆動が可能とされています。
ただしこれはテスト条件下での数値であり、実際の使用状況(明るさ、処理負荷、ネットワーク状態など)によって変動します。

●空間体験、アプリ、接続

visionOS を用いた空間操作が基本であり、視線・手・声を組み合わせて直感的に操作可能です。
  • マルチビュー:最大 5 つの映像を同時表示できる機能。スポーツ観戦や複数の番組チェックに活用可能。
  • Mac 仮想ディスプレイMac をワイヤレスで “持ち込む” ことで、巨大な仮想モニタとして利用できる。
  • 空間写真 / 空間ビデオ:3D で撮影・再生でき、従来の 2D 写真を空間シーンに変換する機能もあります。
  • FaceTime & Persona:遠隔通信では、相手をリアルな映像タイルで表示。リアリティのある会話体験を提供。
  • App Store 対応:visionOS に最適化された空間アプリが並び、iPhoneMac と内容を同期できる。
また、アクセシビリティ機能(ライブキャプション、スマート反転、透明度調整など)も取り入れられており、使いやすさにも配慮されています。

利用シーン:どこで、どう使えるか

ホームシアター体験

リビングやベッドルームが自分専用劇場に早変わり。どんな広さの部屋でも、巨大スクリーンで映画や 3D コンテンツを楽しめます。飛行機や移動時にもトラベルモードを使えばシームレスに映像視聴が可能。

●仕事・クリエイティブ作業

“無限に広がるワークスペース” を得ることで、複数のアプリやウィジェットを空中に配置してマルチタスクが可能。大画面やレイアウト選択が自由自在なので、複雑な図表や 3D モデルを扱う設計・デザイン作業にも向くでしょう。
Mac を仮想ディスプレイとして取り込むことで、物理モニターの制約から解放されます。

●遠隔コミュニケーション・コラボレーション

FaceTime + Persona によって、リモートでもまるで同じ空間にいるかのような対話が可能です。コラボレーション用アプリ(フリーボード等)で共同作業もできます。
特に、地理的に離れたメンバーと図面や 3D モデルを見ながら議論するような場面での恩恵は大きいと思われます。

●思い出の保存・視覚体験

写真やビデオを 3D 化して空間で体験できるのは、このデバイスならではの楽しみ。また、従来の 2D 資料を空間シーンへ変換して新しい視点から眺める、という遊び方も可能です。
旅行先の風景や思い出を、現実感を伴って振り返る体験はなかなか斬新です。

強みと課題・注意点

●強み(メリット)

  • 圧倒的な映像品質と没入感:4K 超、120Hz、空間オーディオと組み合わせることで、従来の VR/AR とは一線を画す体験となる。
  • 処理能力の向上:M5 チップの導入で AI 処理やグラフィック描画の余裕が増し、将来性も見込める。
  • 高い拡張性:visionOS 対応アプリや Mac 連携、各種アクセシビリティ機能によってユースケースが広がる。
  • リモートコミュニケーションの進化:Persona や空間共有体験により、遠隔間でも臨場感ある交流が可能。

●課題・注意点(デメリット・懸念)

  • バッテリー持続時間:最大 2.5~3 時間というスペックは、長時間の利用や外出先使用には不安が残る。
  • 重さと疲労:高性能を詰め込んでいるゆえに、長時間の装着による頭部・首への負荷は無視できない可能性がある(実使用レビューでの評価が気になるところ)。
  • 価格と導入コスト:Apple の最先端製品であるため価格も高めになると思われる。アクセサリや処方レンズ対応なども追加費用がかかる。
  • コンテンツの普及度:visionOS 向けアプリや空間コンテンツの量が鍵。初期段階では対応タイトルが限られる可能性あり。
  • 実用性とのバランス:日常利用のタスク(メール・ブラウズなど)において、手軽さと操作性で現行デバイスを超えられるかは未知数。
  • 発熱・排熱制御:高負荷時の発熱や静音性・温度管理がどう保たれるか、実機での確認が必要。
  • 視力矯正対応:処方レンズ対応は可能だが、全ての度数に対応できるかどうかは限定される点に注意。

 

 
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