Kishioka-Designの日誌

Adobe/Flmora/Canva/STUDIO/CopilotなどのソフトウェアやIT関連の情報をお伝えするブログです。

Photoshop 2026 徹底解説!Adobe MAXで発表された革新的なAI機能がクリエイティブの未来を変える

Photoshop 2026 徹底解説!Adobe MAXで発表された革新的なAI機能がクリエイティブの未来を変える

 
2025年10月、クリエイティブ業界が注目する祭典「Adobe MAX」で、Photoshopの最新バージョン「Photoshop 2026」(技術バージョン27)が発表されました。今回のアップデートは、単なる機能追加ではなく、AIを核としたワークフローの根本的な変革を意味しています。
特に「生成塗りつぶし」の飛躍的な進化と、日常的に使うツールの劇的なスピードアップ&高精度化は、すべてのクリエイターにとってまさに「ゲームチェンジャー」です。本記事では、この革新的なPhotoshop 2026の主要機能を、具体的なユースケースを交えながら徹底的に解説します。

生成塗りつぶしが新次元へ!外部AIモデルとの連携

Photoshopの代名詞となりつつある「生成塗りつぶし」機能に、ついにAdobe Firefly以外の外部パートナーAIモデルが統合されました。これにより、ユーザーは目的や生成物の特性に合わせて最適なAIモデルを選択できるようになり、クリエイティブの可能性が無限に広がります。

Gemini 2.5 Nano Banana:一貫性と視点操作の達人

Googleの技術に基づくこのモデルは、**キャラクターの一貫性(Character Consistency)**維持に特化しており、人物写真の修正や合成において圧倒的な力を発揮します。

具体的な活用例:

  • 人物の向きの修正: 過去のバージョンでは不可能だった、「人物の顔の向きだけを正面に変える」作業が、ポーズや手の位置、ライティングを大きく崩さずに実現します。これにより、写っている人物をスタジオに呼び戻す必要がなくなります。
  • 視覚効果の創出: 現実には撮影が困難な、45度の俯瞰ショットやドローンで捉えたようなトップダウンの視点への変更が可能です。結婚式やイベントの写真で、手軽にドラマチックなアングルを後から作り出すことができます。
  • 服装の変更と参照画像: 参照画像をドラッグ&ドロップし、その衣服のスタイルを指定してモデルの服装を変更するといった、より具体的で複雑な指示にも対応できるようになりました。

Flux Context Pro:文字・サインのデジタル修正に革命を

このパートナーモデルは、画像内のテキストの変更において驚異的な整合性を発揮します。
  • サインや看板の修正: たとえば、複雑なフォントや背景に溶け込んだ看板の「OPEN」という文字を、「CLOSED」に置き換えることができます。フォントのカーニング、質感、パースを完全に保ったまま変更されるため、手動で文字をコピペしたり合成したりする手間が一切なくなります。
  • 重要な注意点: これらのパートナーモデルは、従来のFireflyモデル(通常は1クレジット)と比較して、10クレジットから20クレジットを消費します。利用の際は、結果の精度とクレジットの消費バランスを考慮することが重要です。

日常作業の効率を劇的に高めるツール改善

AIの進化は、派手な生成機能だけでなく、日常的に使用する基本的なツールにも深く浸透しています。

「被写体を選択」と「背景を削除」のAI最適化

  • オンデバイス処理の精度向上: 従来のPhotoshopでは、「より正確な結果」を得るためにクラウド処理を選択する必要がありましたが、最新版ではローカルデバイス上での処理(オンデバイス)の精度が飛躍的に向上しました。これにより、インターネット接続の有無に関わらず、自転車のスポークのような細く複雑なディテールも完璧にマスキングできるようになりました。処理速度と精度の両立が実現した形です。

「削除ツール」の高速化と幻覚(ハルシネーション)の抑制

  • 劇的なスピード向上: 削除ツールによる不要なオブジェクトの除去(例:背景の人物や物)の処理速度が大幅に改善され、よりサクサクと作業を進められるようになりました。
  • 信頼性の向上: 以前のバージョンで稀に発生していた、削除した箇所に無関係な物体(例:空いたスペースにランダムなオブジェクト)を生成してしまう**「幻覚」の問題が、ほぼゼロになるまで抑制**されました。これにより、削除ツールの信頼性が格段に向上しています。
  • コンテキストタスクバーからの実行: 選択範囲を作るとコンテキストタスクバーに表示される「削除」ボタンが、強化されたAIエンジンを使用するように更新され、ワークフローがさらにスムーズになりました。

合成の常識を変える「ハーモナイズ」の正式版

複数の要素を組み合わせるコンポジット作業において、この機能は欠かせないものとなりました。
  • 自動色調補正: 切り抜いたオブジェクト(前景)を背景画像に配置した後、コンテキストタスクバーの「ハーモナイズ」をクリックするだけで、AIが両者の色、影、光、コントラストを分析し、自動で馴染ませます
  • 自然な融合: これまで手動でレイヤーや調整レイヤーを駆使して行っていた色合わせの作業が、一瞬で完了し、配置したオブジェクトが背景に「浮く」ことなく、まるで最初からその場で撮影されたかのように自然に融合します。

その他のワークフローを加速させる新機能

高解像度化の切り札「生成アップスケール」

  • 外部モデル連携による高画質化: 古いスキャン画像や低解像度の写真の品質を最大4倍まで向上させる機能です。Topaz Gigapixel(ディテール重視)などの外部AIモデルも選択可能となり、元の画像の質感やディテールを保ちながら、ノイズの少ない高解像度画像を作成できます。

タイポグラフィを整える「ダイナミックテキスト」

  • デザイン効率の向上: テキストレイヤーが持つ新しいオプションで、コンテナ(ボックス)の幅に合わせてテキストのサイズ、文字間隔を動的に調整します。これにより、広告やバナーなどのデザインで、見た目のバランスが良いタイポグラフィを簡単に、かつ自動で維持することができます。

どこでも継続できる「生成履歴」

  • Fireflyとのシームレスな連携: Photoshopのホーム画面に、Adobe Firefly(Web版)で過去に生成した画像の履歴が表示されるようになりました。これにより、Webで生成したアイデアを、Photoshopですぐに開き、作業を継続できる連携性が確保されました。

Photoshop 2026は、AI技術をクリエイティブの「邪魔」ではなく「強力な相棒」として昇華させました。作業効率を飛躍的に高め、これまで難しかった表現を誰もが実現できる時代が到来しています。
Creative Cloudアプリから最新バージョン(バージョン27)にアップデートし、この革新的なツールをあなたのクリエイティブワークに取り入れてみてください。

 

 

 
■Kishioka Design Blog
■Kishioka-Design日誌(はてなブログ
■note