Kishioka-Designの日誌

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【書籍紹介】新時代のレタッチ術を体得せよ。『Photoshop レタッチ2.0』

【書籍紹介】新時代のレタッチ術を体得せよ。『Photoshop レタッチ2.0』

デジタル写真の世界が、いま新たなフェーズへと進化している。
AIツールの登場や生成技術の飛躍によって、「レタッチ」という言葉の意味そのものが変わり始めているのだ。そんな時代の変化を的確に捉え、“これからのPhotoshopレタッチ”を体系的に解説した書籍が『Photoshop レタッチ2.0』である。

「手動の時代」から「思考の時代」へ

本書が掲げる「2.0」というタイトルには、単なるテクニック集を超えた意味がある。
従来のようにブラシで一枚ずつ修正していく“手動の時代”から、AIや自動化機能を駆使して、作品全体のトーン・質感・ストーリーを設計する“思考の時代”へ。
著者は、広告写真やファッション、商品撮影など幅広い分野で活躍するプロのレタッチャー。
その経験に基づき、「生成塗りつぶし」「コンテンツに応じた削除」「スマートオブジェクト」「調整レイヤー」「マスクAI」などの最新機能を実践的に組み合わせる方法を詳解している。

構成と内容:テクニック+思想のハイブリッド

Photoshop レタッチ2.0』は、単に操作手順を並べるのではなく、“なぜその操作を選ぶのか”という意図を重視して解説している。
章立ては大きく以下のような構成になっている。
  1. レタッチの基本
  2. 風景のレタッチ
  3. 人物のレタッチ
  4. 文字やパーツのレタッチ
  5. 世界観を生み出す合成
各章では、作例のPSDデータが付属(またはダウンロード提供)しており、読者は実際のファイルを開きながらプロの調整レイヤー構造を確認できる。
まさに“プロの思考を覗きながら学べる”一冊だ。

AIが当たり前になる時代の「人間の眼」

AIが自動でレタッチを行う時代に、では人間の役割は何か。
著者は本書で、「最終的な美を判断する眼こそ、レタッチャーの本質」だと語る。
たとえ自動生成で作業時間が短縮されても、
どこを残し、どこを変えるか──その判断を下すのは人間であり、
そこにこそ“クリエイティブ”が宿る。
Photoshop レタッチ2.0』は、単に技術を学ぶ本ではなく、
「人間がAI時代にどうレタッチと向き合うか」というテーマを深く掘り下げている。

こんな人におすすめ

  • Photoshopの基本操作は理解しているが、より自然で美しいレタッチを学びたい人
  • AI生成やスマートツールを取り入れた最新手法に興味がある人
  • 広告・ファッション・商品写真など、商業レベルのクオリティを追求したいプロ・志望者
  • これまでのレタッチ本に“物足りなさ”を感じてきた人

総評:Photoshopの「これから」を知るための必読書

レタッチはもはや、手先の技術だけでは語れない領域に入った。
AIが進化し、ツールが変わるたびに、“人がどこまで介入するか”という問いが浮かび上がる。
Photoshop レタッチ2.0』は、そんな時代の岐路に立つすべてのクリエイターに向けた「新しいレタッチの教科書」だ。
ページをめくるごとに、自分の作品づくりの概念が更新されていく──
そんな体験を、ぜひ味わってほしい。

書籍情報

  • タイトルPhotoshop レタッチ2.0
  • 著者:楠田諭史
  • 発売日:2025年10月17日
  • 定価:2,530円(税込)
  • 仕様:256ページ

あとがき

Photoshopの世界は、AIと人間の共創によって日々変化している。
Photoshop レタッチ2.0』は、その変化の最前線をリアルに体感できる、数少ない実践書のひとつ。
単なるスキルアップではなく、“レタッチの考え方”そのものをアップデートしたい人にとって、最高の一冊となるだろう。
 
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