Kishioka-Designの日誌

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「創造の自由」へ ― Affinity が切り拓くクリエイティブの新時代

「創造の自由」へ ― Affinity が切り拓くクリエイティブの新時代

1. Affinityとは?

Affinityは、英国・Serif社(現在はCanon/Canva傘下)によって開発されたクリエイティブソフトウェア群で、「デザイナーが手頃な価格で高品質なコンテンツを制作できるように」というビジョンのもと生まれました。
日本語サイトでは「創造の自由」というキャッチコピーが掲げられ、「カスタムスタジオの構築」「お気に入りツールの組み合わせ」「複数セットアップの保存&ワンクリック切り替え」など、ユーザーの自由度が強調されています。
つまり、単に“ソフトを使う”だけでなく、「自分のワークフローに最適化された環境を自ら設計できる」ことが、Affinityの大きな魅力と言えそうです。

2. 主な用途と機能ハイライト

Affinityは大きく分けて以下の用途に向けた機能を備えています:
  • 写真編集
    例:HDRマージ、フォーカスマージ、天体写真のスタック処理といった高度な機能が、写真ワークフローの自動化・効率化をサポートしています。
  • ベクターグラフィックデザイン
    Affinity Designer の機能リストには「何千人ものプロフェッショナルの創作活動に革命をもたらしている」と紹介されています。
  • カスタマイズ&ワークフロー最適化
    「パネルを並べ替え」「お気に入りツールを組み合わせ」「複数セットアップを保存してワンクリック切り替え」など、作業スタイルに応じた環境構築が可能です。

3. なぜ今、Affinityが注目されるのか?

いくつか理由が挙げられます:
  • 価格・コストパフォーマンス
     「手頃な価格で高品質なコンテンツを制作できるように」という理念が明示されており、従来の高価格帯ソフトと比べて導入ハードルが低めです。
  • ワークフローの自由度
     自分の操作環境を自由にカスタマイズできる点が「創造の自由」に直結しています。
  • 用途の幅広さ
     写真・グラフィック・出版といった複数領域をカバー。一本化できればツール数の削減・学習コストの低減にもつながります。
  • 日本語対応・国内情報の増加
     日本語公式サイトが整備されており、国内ユーザーへの配慮も感じられます(例:日本語版ページ多数)

4. Canvaとの連携/関係性について

ここからは、AffinityとCanvaとの関係や連携の実際について整理します。

4-1. 両社の背景と関係

  • Canvaは、2013年に設立されたクラウドベースのデザインツールで、テンプレートやわかりやすいUIで幅広いユーザーに利用されています。
  • Affinityを開発してきたSerif社は、プロフェッショナル向けのデザイン・写真・出版ソフトウェアを提供してきました。
  • 2024年3月、CanvaがSerif(Affinity)の買収を発表しています。
  • 買収後、公式にも「プロフェッショナルデザイナー向けのAffinity製品を、Canvaのビジョンと共に発展させていく」旨が語られています。

4-2. 連携・利用の現状

  • 現時点で「CanvaからAffinityへ/AffinityからCanvaへ」の 直接的なワンクリック自動連携機能 が、全機能として確立されているわけではないようです。たとえばユーザー掲示板で「Canvaから直接Affinityにデザインをインポートできるようにしてほしい」といった要望があります。
  • ただし、教育・非営利ユーザー向けに、Canvaアカウントを通じてAffinityが 無料または割引で利用可能 になっているケースがあります。例として、Canvaの教育版・非営利版アカウントを使ってAffinityソフトへのアクセス申請が可能です。
  • また、公式サポート記事として「Canvaユーザー/チーム管理者向け:Affinityを使い始めるには」 というページが用意されています。
  • 実践的には、Canvaで作ったデザインをエクスポート(PNG/SVG/PDF等)し、Affinity側でさらに高度な編集を加えるという“併用ワークフロー”が紹介されています。

4-3. 併用のメリット・注意点

メリット:
  • Canvaは「テンプレート+クラウド共有+チーム共同編集」に強く、バナー・SNS・簡易デザインに向いています。一方、Affinityは「高精度な編集」「出版・印刷対応」「ベクター・ラスタ統合」などに強みがあります。
  • 両者を併用することで、例えば「Canvaでラフを作って、Affinityで仕上げる」「Affinityで作成した素材をCanvaに取り込んでチーム共有/量産デザインに転用する」といった流れが可能です。
  • 教育・非営利の観点では、両ソフトがアクセス性を向上させており、学習・学校・団体利用において恩恵があります。
注意点:
  • 完全に「一つのファイルをCanvaとAffinityで双方向編集」という状態になるわけでは、現時点では制限があります。レイヤー構造・エフェクト・フォント互換性などで齟齬が出る可能性があります。
  • 両ソフトでファイル形式やカラー設定・印刷設定が異なるため、印刷物向けや細部調整が必要な制作の場合は、どちらか一方に統一して作業する方が安全です。
  • ライセンス・利用条件・アップデートポリシーもそれぞれに設定がありますので、特に商用利用・チーム利用の場合は最新の利用条件を確認することが大切です。

4-4. 実践ワークフロー例

  • CanvaでSNS投稿用のテンプレートを作成 → PNGまたはSVG形式でエクスポート → Affinity Designer/Affinity Photoで色調補正・ベクター化・印刷用データ化
  • Affinityでポスターや冊子のデザインを完成 → JPEG/PDF形式で書き出し → Canvaにアップロードしてチームで共有・Web用にサイズ最適化
  • 教育機関非営利団体でCanvaアカウントを持っている場合、Affintyを無料/割引で導入して、より高度な編集環境を整える

5. まとめ:クリエイティブの“自由”を味方に

「使いたい機能だけを、自分のワークフローに合わせて使いこなせる」――そんな“自由”を求めるクリエイターに、Affinityは有力な選択肢です。特に、写真・グラフィック・レイアウトなど複数ジャンルを横断して活動する方には、「一本化による効率化」「操作環境の統一」という意味でも魅力があります。
そして、Canvaとの関係を視野に入れることで“ラフから本格制作へのステップ”、“チームでの共有/量産対応”といった可能性も広がります。
 
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