
試合概要
2025年11月26日(日本時間11月27日)、Liverpool(リヴァプール)対PSVアイントホーフェン(PSV)のUEFAチャンピオンズリーグ(UCL)リーグフェーズ第5節が、古巣地アンフィールドで行われた。観衆59,964人の前で試合はスタート。結果はリヴァプール 1-4 PSV。前半は1-1で折り返したが、後半PSVが猛攻をかけ、立て続けに3得点を奪って大勝を収めた。得点者は、PSV側がイバン・ペリシッチ(PK/6分)、フース・ティル(56分)、クハイブ・ドリウエシュ(73分、90+1分)の2ゴール。リヴァプール唯一のゴールはドミニク・ショボスライ(16分)による反撃だった。
この敗戦でリヴァプールは公式戦3連敗。UCLでの16強ストレートインにも暗雲が立ち込める事態となった。
試合展開
キックオフ直後から試合は激しい攻防となった。開始6分、リヴァプールは中盤での不注意からセットプレーを与えてしまう。角度のあるコーナーに対し、ヴァージル・ファン・ダイク がボールに対してハンドの判定を受け、PKを献上。これをイバン・ペリシッチ が冷静に沈め、PSVが先制。わずか数分で試合の主導権を握られた。
しかしリヴァプールはすぐさま反撃。16分、コディ・ガクポ のシュートをPSVゴールキーパーが弾いたこぼれ球を、ドミニク・ショボスライ が押し込み、1-1の同点に追いついた。このゴールで会場には再び希望の空気が流れた。
そこからはリヴァプールゴール前での守備が崩壊。73分にクハイブ・ドリウエシュ が追加点を決めると、90+1分にも再び同選手がゴールネットを揺らし、ダメ押しの4点目。終盤、リヴァプールは必死に反撃を試みたが、PSVの集中した守備と臨機応変な対応、そして何よりメンタルの差が勝敗を分けた。結局試合はそのまま終了。歓喜に包まれるアウェイサポーターとは対照的に、アンフィールドには重苦しい沈黙が残された。
スタッツハイライト
この試合のスタッツを見ると、驚くべき数字が明らかになる。リヴァプールのボール支配率は63.4%、PSVは36.6%と試合の大半でボールを保持していた。シュート試み(総数)はリヴァプールが27本に対しPSVは9本。一見すると主導権を握っていたのはリヴァプールのように見える。
しかしながら、ゴールに直結した決定機、守備の集中度、そして守備ラインの綻び――これらが結果に直結。リヴァプールは枠内シュート10本に対してPSVが6本、コーナーキックではリヴァプール11本に対しPSV4本という攻撃回数の差こそあれ、決定力と守備の安定性で大きく差をつけられた。
選手寸評
ヴァージル・ファン・ダイク
悲劇とも言えるPK献上が致命的。大事なタイミングでの軽率なハンドでチームに先制点を許し、以降の流れを自ら断ち切った。キャプテンとしての責任は重く、「守備の要」としての信頼を大きく失う結果に。
悲劇とも言えるPK献上が致命的。大事なタイミングでの軽率なハンドでチームに先制点を許し、以降の流れを自ら断ち切った。キャプテンとしての責任は重く、「守備の要」としての信頼を大きく失う結果に。
ドミニク・ショボスライ
前半16分、きっちりとこぼれ球をモノにし同点ゴールを挙げた点は唯一の光。攻撃面では存在感を示したが、チーム全体の崩壊を防ぐには至らず。
前半16分、きっちりとこぼれ球をモノにし同点ゴールを挙げた点は唯一の光。攻撃面では存在感を示したが、チーム全体の崩壊を防ぐには至らず。
コディ・ガクポ
攻撃の起点として働き、相手守備を揺さぶる存在感。シュートでこそ決まらなかったが、前半のチャンスの多くは彼のサイド突破、ドリブル、仕掛けから生まれていた。
攻撃の起点として働き、相手守備を揺さぶる存在感。シュートでこそ決まらなかったが、前半のチャンスの多くは彼のサイド突破、ドリブル、仕掛けから生まれていた。
クハイブ・ドリウエシュ
73分と90+1分の2ゴール。特に後半終盤の追加点は「決定力」と「冷静さ」の象徴。スピードと動き出し、そしてシュート精度――すべてにおいてリヴァプールDF陣を切り崩した。
73分と90+1分の2ゴール。特に後半終盤の追加点は「決定力」と「冷静さ」の象徴。スピードと動き出し、そしてシュート精度――すべてにおいてリヴァプールDF陣を切り崩した。
戦術分析
リヴァプールは高いボール支配率を背景に攻撃的な姿勢で試合に臨んだ。しかし「保持」ばかりを意識しすぎたことで、決定機の質が乏しく、かつ守備の脆さがモロに露呈。特にセットプレーやサイド攻撃対応で集中力を欠き、PK献上と守備ラインの乱れによって流れを失った。
一方PSVは、ボール支配を無理に奪いに行かず、効率的なカウンターとセットプレーを狙う戦術。前半早々のPKで主導権を握ると、守備は引いて安定させ、リバウンドやサイドの崩しを巧みに利用。後半は相手が前がかりになったところを見逃さず、決定力ある選手で畳みかけた。結果として、支配率では劣りながらも効率と精度で勝利を掴んだ。
ファンの反応
試合後、スタジアムにはブーイングが巻き起こり、早々と席を立つファンも多く見られた。ネット上やSNSでは「また守備崩壊」「なぜ集中できないのか」「CLで恥をかいた」など批判の声が相次いでいる。
一部では「選手たちにもう疲労と諦めが見える」「若手に任せすぎ」「補強失敗」と、クラブ経営および今季の構想にまで疑問を投げかける声も。また、責任を問う声が高まり、監督であるアルネ・スロット への批判も強まっている。
しかし一部のファンは「攻撃は頑張っていた」「まだ巻き返せる」とあくまで前向きで、次節へのリベンジを望む声も小さくない。
総評
この試合は、リヴァプールにとって痛恨の大敗――いや、「危機」の象徴だと言える。支配率やパス数など、数字の上ではリヴァプールの方が優勢に見えるが、勝負どころでの決定力、守備の堅さ、そしてメンタル──そのすべてでPSVに完敗した。
特に守備の崩壊は深刻で、単なるミスでは片付けられない構造的な問題を露呈した。攻撃に傾倒しすぎるあまり、「勝つための守備」ができていなかった。今後、このまま同じスタイルを維持するのであれば、今季のCL、そしてリーグ戦の敗退も覚悟しなければならない。
もちろん、リヴァプールは名門クラブ。CLでの復活、そしてホームでのリベンジの可能性は依然ある。しかし、この試合で見せた不安定さを放置したままでは、「過去の栄光」は遠いものとなるだろう。チーム、指揮官、そしてサポーター──すべてが向き合い、変革を迫られた夜だった。
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