Kishioka-Designの日誌

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2025年11月24日~11月30日:今週の世界経済ニュースヘッドライン

【世界株高と米金利低下――「12月利下げ」観測が一気に強まる】

11月24日の週の世界市場では、「FRBが12月にも利下げに踏み切るのではないか」という思惑が一気に強まり、株高・金利低下・ドル安という典型的な“リスクオン”相場が広がりました。米金利先物は12月利下げを80%超織り込み、NY株式市場ではAI関連の割高感への不安がくすぶる中でも主要株価指数が続伸。長期金利は3日続落し、バリュエーションへの警戒を和らげました。
この流れは欧州・アジアにも波及し、週明けのアジア・欧州株はそろって上昇スタート。投資家は「景気は減速気味だが利下げが下支えする」という“ソフトランディング”シナリオを再評価しています。一方で、米ドル安の裏側では円安が再び進行し、日本当局による為替介入への警戒感も高まりました。
足元の株高はあくまで「利下げ期待」に支えられた相場であり、実体経済や企業収益の改善が伴っているわけではありません。12月FOMCでの判断や、その後の経済指標次第では期待が一気に剝落するリスクもあり、投資家にとっては“追い風相場の中でどこまでリスクを取るか”が問われる1週間となりました。
 

【2026年の米景気は“やや加速・インフレは粘着”という厄介なシナリオ】

11月24日に公表された調査によると、多くのエコノミストは、2026年の米国経済について「成長はやや加速するものの、インフレが目標を上回ったまま粘着する」との見通しを示しています。成長率はこれまでの予想よりわずかに上振れする一方、物価は2%目標を超えて高止まりするため、FRBの金融政策は難しい舵取りを強いられそうです。
背景には、賃金の底堅さやサプライチェーンの再編に伴うコスト増加、さらには米国が本年導入した新たな関税の影響があります。サンフランシスコ連銀は最新レターで、関税が供給制約だけでなく需要にも影響し、「インフレと失業率の両方を押し上げ得る」と指摘しました。つまり、景気を冷やしているのに物価も下がりにくいという、中央銀行にとって最も扱いにくい組み合わせです。
9月にはFRBがすでに利下げに踏み切っており、バランスシート縮小も年末で停止される見通しです。しかし、インフレの“しぶとさ”次第では、利下げのペースは想定より遅くなる可能性もあります。株式市場にとっては成長加速がプラス要因である一方、「低金利回帰」が必ずしも保証されないことを意識させるニュースとなりました。
 

【東京CPI加速で日銀利上げ観測が急浮上――円と債券市場が敏感に反応】

11月28日に発表された東京都区部のコア消費者物価指数は、前年比で2%台後半まで伸び、事前予想をわずかに上回りました。エネルギー価格の押し下げ効果が一巡する一方、サービス価格や外食、家賃などの粘着的な項目で上昇が続いていることが確認され、「日銀が12月にも追加利上げに動くのではないか」という観測が一気に強まりました。
これを受けて国内債券市場では長期金利がじりじりと上昇し、イールドカーブのスティープ化が進行。為替市場では、これまで超低金利が“売り材料”だった円に見直し買いが入り、一時的に円高方向へ振れる場面も見られました。もっとも、世界的な「FRB利下げ期待によるドル安」と絡み合って動いているため、円相場のトレンドはなお流動的です。
日銀内部からも、これまでの大規模緩和の“出口戦略”を示唆する発言が相次いでおり、市場は12月会合での政策修正、少なくとも「来年の利上げを強く示唆するメッセージ」が出る可能性を織り込み始めています。株式市場では、銀行株や保険株など金利上昇の恩恵を受けるセクターが物色される一方、住宅や内需ディフェンシブには売りが出るなど、金融政策転換を意識した物色が進んでいます。
 

【中国PMIが8カ月連続マイナス、サービスも失速――「二つの冷え込み」が世界を揺らす】

11月末に公表された中国の11月製造業PMIは49.2と、8カ月連続で景況感の分かれ目である50を下回りました。前月からわずかに改善したものの、新規受注や輸出向け受注は依然として低迷しており、世界需要の減速と中国国内の過剰供給問題が重くのしかかっています。
よりショッキングだったのは、ここまで回復ドライバーと見なされてきたサービス・建設を含む非製造業PMIが49.5と、約3年ぶりに50を割り込んだことです。不動産不況の長期化や雇用不安、デフレ懸念から消費者マインドは冷え込み、国慶節連休の一時的な消費ブームもすっかりしぼんだ格好です。
中国政府は家電やEVへの補助金、地方での消費喚起策などを打ち出していますが、その効果は限定的との見方が多く、アナリストの間では「抜本的な景気対策は2026年初に持ち越し」との見通しが強まっています。世界経済にとっては、中国発の需要減退とデフレ圧力が、資源価格や貿易、企業収益を通じてじわじわ波及していく懸念が再確認された1週間となりました。
 

【中国、不動産テコ入れ策を模索――モーゲージ補助金は“焼け石に水”?】

中国政府は、長期化する不動産不況に歯止めをかけるため、新たな支援策を検討していることが報じられています。具体的には、新規住宅購入者向けの住宅ローン補助金や、地方政府・国有銀行を通じた開発業者の資金繰り支援などが検討項目に挙がっているとされます。
ただ、エコノミストの多くは「価格下落が続く中で、家計は住宅購入に慎重な姿勢を崩しておらず、モーゲージ補助は根本解決にはならない」との見方です。不良債権化への懸念から銀行の与信姿勢も保守的で、信用創造のメカニズムがなかなか回復しない点も指摘されています。
不動産セクターは中国GDPの2〜3割を占めると言われ、地方政府の財政や建設・家電など多くの産業に波及します。そのため、世界の投資家は「どこまで踏み込んだ政策が出るか」を注視しており、中国株式やコモディティ市場は関連報道に敏感に反応しています。十分な規模の対策が示されれば、一時的なリバウンドも期待できますが、構造不況のなかで“失われた信認”を回復できるかは依然として未知数です。
 

【ドイツIfo企業景況感が再び悪化――欧州の“けん玉リカバリー”はいつ始まる?】

11月24日に公表されたドイツIfo企業景況感指数は88.1と、前月の88.4から低下し、市場予想も下回りました。製造業、貿易、建設など多くのセクターで先行きへの悲観が強まり、欧州最大経済の回復がなお遠いことを示しています。新政権による改革期待も、実体経済のもたつきで“賞味期限切れ”になりつつあります。
欧州全体をみると、インフレはピークアウトしつつも依然として目標を上回る水準にあり、ECBは「政策は良いポジションにある」としながらも、金融緩和への大きな転換を急いでいません。その一方で、最新の調査ではエネルギー価格の下落などを背景に、2026年にはインフレが目標を下回る可能性があるとの声も出始めており、長期的には“低インフレ・低成長”への逆戻り、いわば再びの“日本化”が懸念されています。
株式・債券市場は、当面の追加利下げはないとの前提で比較的落ち着いた動きを保っていますが、景気のダウンサイドリスクを意識すれば、欧州資産への長期投資スタンスを見直す動きが出てきてもおかしくありません。
 

【英国オータム・バジェット2025――市場はひとまず安堵も、専門家は「財政の土台は脆い」と警告】

11月26〜27日にかけて、英レイチェル・リーブス財務相によるオータム・バジェット(秋の予算)が発表されました。英国の財政監視機関OBRは、政府が今後5年間で約220億ポンドの“財政余地”を確保できると試算し、市場はこれを好感。10年物ギルト利回りは発表後に数bp低下し、ポンドも対ドルで約1カ月ぶり高値圏まで上昇しました。FTSE100も予算発表後に約1%上昇し、特に銀行株が買われました。
しかし、シンクタンクエコノミストの評価は厳しく、「選挙直前に増税と歳出削減を後ろ倒しした“フィスカル・フィクション(財政フィクション)”」との批判が相次ぎました。実質的には多くの世帯で税負担が増す一方、成長戦略としてのインパクトは限定的との見方が支配的です。
市場は短期的に「最悪のシナリオは回避された」との安心感から落ち着きを取り戻しましたが、中長期的には英国の成長力と財政持続性への不安はくすぶったまま。12月のBOE利下げ観測も高まっており、英国資産は“穏やかな追い風”と“構造的な向かい風”の間で揺れる状況が続きそうです。
 

カナダドルが6日ぶり高値――資源通貨に追い風、Fed観測と原油高が後押し】

11月26日、カナダドルは対米ドルで6日ぶりの高値を付けました。為替レートは一時1米ドル=1.4048カナダドル(約0.71ドル)までカナダドル高が進行。背景には、米国の小売売上高や消費者信頼感の弱さを受けて、FRBの12月利下げ観測が一段と強まり、米ドルが軟調となったことがあります。
加えて、原油価格の反発もカナダドルを支えました。カナダ経済は資源輸出への依存度が高く、原油や金属価格の上昇は、同国の収益や成長期待を押し上げる要因となります。株式市場でも資源関連銘柄が相対的に堅調で、2026年にはAI需要を背景とした資源投資拡大でカナダ株が史上高値圏をうかがうとの予測も出ています。
今後は、カナダ自身のGDP統計や中銀のスタンス、そして何より米金利の行方が、カナダドル相場の鍵を握ります。投資家にとっては、「利下げ期待によるドル安」と「資源価格動向」という二つの要因をにらみながら、通貨・株式・債券を総合的にポートフォリオ設計することが重要になりそうです。
 

イスラエル中銀が利下げ――地政学リスク下での難しい決断】

イスラエル銀行(BOI)は11月24日の会合で、政策金利を4.5%から4.25%へ引き下げる決定を行いました。声明では、物価安定と経済活動の支援、市場の安定をバランスさせることが目的だと説明し、今後の金利パスはインフレ率や経済指標、地政学的な不透明感、財政状況を踏まえて決定するとしています。
ガザ情勢をはじめとする地域の緊張が続くなかでの利下げは、景気下支えの必要性がそれだけ高まっていることを示します。一方で、インフレ期待のアンカーや通貨シェケルの安定をどう保つかという課題も抱えており、市場では「追加利下げの余地は限られる」との見方が優勢です。実際、決定後のシェケル相場や国債利回りの反応は比較的落ち着いており、投資家は今回の利下げを“限定的な景気支援策”として受け止めているようです。
イスラエルはテック産業を中心に高い成長ポテンシャルを持つ一方、地政学リスクが常に資本流入の制約要因となります。今回の決定は、そうした二面性のなかで中銀が取れるオプションの難しさを象徴する出来事と言えるでしょう。
 

【ECBは“今のスタンスで十分”と強調――だがインフレ鈍化と金融安定リスクの板挟み】

11月25日、ECB幹部は「現在の金融政策スタンスは良いポジションにあり、すぐに大きな変更を加える必要はない」との認識を示しました。インフレはピークを過ぎ、賃金とサービス価格の伸びも鈍化しつつあるものの、なお目標をやや上回る水準にあるため、12月会合での利下げは見込まれていません。
一方、最新の調査では、エネルギー価格の下落を背景に、2026年にはインフレ率が目標を下回る可能性があるとの見方も浮上しており、一部の理事は「低インフレが長期化するリスク」を懸念しています。ECBの金融安定報告では、株式やハイイールド債などリスク資産に投資するファンドの流動性リスクや、ボラティリティ急上昇時の資金流出に警鐘が鳴らされています。
つまり、ECBは「インフレを完全に抑え込む前に早期利下げを行うリスク」と、「利上げ長期化による成長失速・金融不安定化リスク」という二つの板挟みにある状態です。今のところ市場は2026年以降の緩やかな利下げを織り込みつつあり、ユーロや欧州株は比較的落ち着いていますが、経済データのわずかな変化が政策スタンスと市場センチメントを大きく揺らし得ることを示した1週間となりました。

 

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