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世界から見た『日経平均5万円』はバブルか?EPSとドル建て株価で読み解く真価

世界から見た『日経平均5万円』はバブルか?EPSとドル建て株価で読み解く真価

日経平均株価が5万円という大台を突破した今、多くの投資家の脳裏をよぎるのは「これは1980年代後半のようなバブルではないか」という疑念です。しかし、当時の熱狂と現在の状況を冷静に比較すると、全く異なる景色が見えてきます。
今回は、企業の稼ぐ力である「EPS(1株当たり利益)」と、海外投資家の視点である「ドル建て株価」という2つの指標を軸に、日経平均5万円の真価を解き明かします。
 

 

株価を支える土台:EPS(1株当たり利益)の劇的な向上

株価がバブルかどうかを判断する最もシンプルな方程式は、「株価 = EPS(企業の利益) × PER(期待値)」です。
1989年のバブル絶頂期、日経平均が3万8915円だった頃、PER(株価収益率)は60倍を超えていました。これは企業の利益に対して株価が異常に高く、まさに「実体のない期待」だけで膨らんでいたことを意味します。
対して、日経平均5万円時代の現在、企業のEPSは当時とは比較にならないほど成長しています。日本企業は長年のデフレを脱却し、価格転嫁や構造改革を通じて、稼ぐ力を着実に高めてきました。仮にPERが16倍から17倍程度であれば、5万円という株価は企業の利益成長に基づいた「妥当な水準」の範囲内であると言えます。つまり、現在の5万円は、かつてのバブルのような「空回り」ではなく、企業の「稼ぐ実力」という強固な土台の上に立っているのです。

海外投資家が見ている「ドル建て日経平均」の景色

日経平均を動かす主役である海外投資家は、日本株を「円」ではなく「ドル」に換算して評価しています。これが「ドル建て日経平均」です。
円安局面において、円建ての日経平均が最高値を更新していても、ドル建てで見ると必ずしも過去最高値圏にないことがあります。海外投資家からすれば、円安の影響で日本株は「バーゲンセール」の状態に見えているケースが少なくありません。
日経平均5万円という数字は、日本人投資家にとっては非常に高く感じられますが、ドル建てで評価すると、米国株(S&P500など)のこれまでの上昇率に比べれば、日本株の出遅れ感は依然として指摘されるレベルです。世界的なインフレと株高の流れの中で、相対的に割安な日本株に海外マネーが流入し続けるのは、極めて論理的な動きだと言えるでしょう。

「期待」ではなく「ガバナンス」がPERを下支えしている

かつてのバブルとの決定的な違いは、東京証券取引所主導の「資本効率の改善要求」です。PBR1倍割れの是正や自社株買い、増配といった株主還元策が企業の当たり前の姿勢となりました。
これにより、投資家のPER(期待値)の質が変化しました。以前のような「ただ上がるから買う」という投機的な期待ではなく、「企業が株主を向いて経営し、利益を分配してくれる」という信頼に基づいた評価がPERを下支えしています。
ガバナンス改革が進む中での株価上昇は、一過性のブームではなく、日本市場の構造的な底上げを意味します。5万円という水準は、日本の株式市場が「普通の先進国市場」として正当に評価され始めた証とも取れるのです。

まとめ:5万円は「バブルの終わり」ではなく「新時代の標準」

数字のインパクトに惑わされがちですが、EPSの成長とドル建てでの割安感、そしてガバナンスの向上という3点を踏まえれば、日経平均5万円は決して根拠のないバブルとは言い切れません。
もちろん、相場に調整はつきものです。しかし、それは実体のない崩壊ではなく、次の上昇に向けた健全な足踏みである可能性が高いでしょう。投資家に求められるのは、5万円という「価格」に怯えることではなく、その裏側にある企業の「価値」を冷静に見極め、投資を継続する姿勢です。
 

【関連書籍紹介】

 
1. 日本株の長期強気強気シナリオを学ぶ
『なぜこれから30年日本株は爆上げし続けるのか?』(エミン・ユルマズ 著、2025年3月発売予定/刊行)
  • 内容: 日経平均30万円説を唱える著者が、なぜ日本株が長長期で上昇し続けるのかを、地政学と通貨の観点から解説しています。5万円という数字が通過点に過ぎないとする論理的根拠を補強するのに最適な一冊です。
2. 世界情勢と日経平均5万円の関連を知る
『世界と日本経済大予測 2025-26』(渡邉 哲也 著、2024年11月末発売)
  • 内容: 2025年から2026年にかけた世界情勢の裏側と日本経済の行方を予測しています。第1章で「日経平均5万円超えのカギを握る10のチャンス」を具体的に挙げており、記事で触れた「5万円の妥当性」をさらに深く掘り下げた内容となっています。
3. 高インフレ・新秩序下での投資戦略
『高金利・高インフレ時代の到来! エブリシング・クラッシュと新秩序』(エミン・ユルマズ 著、2025年5月発売)
  • 内容: 世界的な高金利・高インフレが続く中で、マネーがどこへ向かうのかを予測しています。ドル建て資産の評価が変わる中で、日本株がどのような位置付けになるのかを理解するための「グローバルな物差し」を提供してくれます。
4. 企業の「稼ぐ力(EPS)」の未来を予測する
『日本経済AI成長戦略』(冨山和彦 著、2026年1月発売)
  • 内容: 2026年初頭にリリースされた、AI活用による日本経済の成長戦略を解く一冊です。記事で解説した「EPS(1株当たり利益)」の向上を、日本の産業構造がどのように実現していくのか、その具体的な道筋が示されています。

5. インフレ×AI時代のマインドセット
『投資家みたいに生きろ[増補版]』藤野英人 著、2025年12月発売)

  • 内容: カリスマ投資家が「インフレ×AI時代」の不安を打ち破るための人生戦略を説いた最新増補版です。5万円という未知の株価圏において、どのような思考法(習慣)を持てば成長し続けられるかというメンタル面の指針となります。

 

【スライド資料(14ページ構成)】

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