
新しいオーディオシステムに火を灯し、最初にトレイへ置く一枚はこれしかないと決めていました。マイルス・デイヴィスの金字塔『カインド・オブ・ブルー』。それも、最新のマスターを究極の精度でプレスした「Blu-spec CD2」仕様です。
この盤は、ブルーレイディスク製造技術を転用することで、マスターテープに刻まれた情報を極限まで正確に読み取ることを可能にしています。デジタル規格としては通常のCDと同じですが、そこに含まれる「情報の密度」は別格です。
■R2Rが描く「空気の震え」
再生ボタンを押し、一曲目の『So What』が流れ出した瞬間、部屋の空気が変わりました。
192個もの抵抗器が織りなす24bit R2R DACの音は、これまでに聴いてきたデルタ・シグマ方式の音とは明らかに一線を画します。デジタル特有のトゲが一切なく、まるでスタジオの空気がそのまま流れ出してきたかのような、生々しい「質感」があるのです。
マイルスのトランペットが鳴り響くと、その金属的な輝きの中に、奏者の体温や息遣いまでもが宿っているのがわかります。JVCのウッドコーンスピーカー「EX-NW1」との相性も抜群で、楽器の響きが実に自然に、空間に溶け込んでいきます。
■「RETRO」モードとステレオ・モノラルの対比
今回の盤は、ステレオとモノラルの両バージョンが収録されている贅沢な仕様です。
ステレオ版では、DM15の「D.MODE」をオンにし、スピーカーから溢れ出す音場感に浸りました。各楽器の位置関係が手に取るように分かり、R2Rの解像度の高さが光ります。
一方で、モノラル版を聴く際にはDM15の「RETRO」モードが威力を発揮しました。音がセンターに凝縮され、厚みを増したマイルスのソロが、R2Rのアナログ的な滑らかさと相まって、1959年のレコーディング現場へタイムスリップしたかのような錯覚を覚えさせます。
■音楽を「体験」する喜び
Blu-spec CD2という精密なソースを、R2Rというアナログ的なプロセスで解き放つ。この一見矛盾するような組み合わせこそが、音楽の「体温」を現代に蘇らせる鍵だったのかもしれません。
ただ「音が良い」だけではない。音楽が持つ情緒や、アーティストの意志が、ケーブル(audio-technica AT544A)を通じてスピーカーから流れ出してくる。そんな、オーディオの醍醐味を改めて再確認させてくれた素晴らしい体験でした。
このシステムで聴くジャズは、これから私の夜をどれほど豊かにしてくれるのでしょうか。次は、あのボサノヴァの名盤をトレイに載せてみようと思います。
【製品紹介】
■FIIO DM15 R2R ポータブル CD プレーヤー
前作DM13に寄せられたフィードバックを真摯に受け止め、1年の歳月をかけて磨き上げられた「DM15 R2R」。FIIOが長年培ったCD技術と最新のR&D成果が結実し、5つの核心設計により劇的な進化を遂げました。
その心臓部には、独自開発のフルバランス24bit R2R DACを搭載。クラシックな趣を感じさせる、厚みがありつつも繊細なサウンドを紡ぎ出します。単なるCD再生機に留まらず、384kHz/32bit対応のUSB DAC機能やaptX AdaptiveによるBluetooth送信、多彩なデジタル出力など、現代のライフスタイルに溶け込む多機能性を実現しました。
厚さわずか25.5mmのスリムな筐体ながら、1150mW(32Ω/バランス)の圧倒的な駆動力を誇り、バッテリー負荷を抑える「DESKTOP MODE」も完備。強化ガラスのウィンドウから覗くメカニカルな造形美が所有欲を満たす、FIIO渾身の意欲作です。
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