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逆襲の一夜。フランクフルトを圧倒したリヴァプールの5得点劇

逆襲の一夜。フランクフルトを圧倒したリヴァプールの5得点劇

試合概要

2025年10月22日(現地時間)、欧州チャンピオンズリーグ・グループステージ第3節にて、ドイツ・フランクフルトの本拠地、Eintracht Frankfurtと、イングランドの名門、Liverpool FCが対戦しました。スタジアムはドイツ・フランクフルト市内のデュイスブルク(?)…ではなく、正しくは「ドイツ銀行パーク(Deutsche Bank Park)」で行われました。試合は1-5というスコアで、リヴァプールが圧倒的な内容で勝利を収めました。
フランクフルトが26分に先制しましたが、それを契機にリヴァプールが35分、39分、44分と怒涛の3ゴールで前半のうちに逆転。後半にも66分、70分に追加点を奪い、合計5得点で試合を決めました。
この勝利により、リヴァプールは苦しい状況から脱し、勢いを取り戻すきっかけとなりました。

試合展開

試合前、リヴァプールはここ数試合苦戦を強いられており、連敗の状況を背負ってこのアウェイ戦に臨んでいました。対するフランクフルトはホームの声援を背に、守備に課題を抱えながらも果敢に立ち向かおうという姿勢がうかがわれました。
キックオフ直後から、フランクフルトは積極的に前線にプレスをかけ、リヴァプールを前に押し込む攻めを見せます。リヴァプールは序盤、ややリズムを掴み切れず、フランクフルトが一時的に主導権を握る場面もありました。その延長線上にあったのが、前半26分の先制ゴールでした。フランクフルトのラズムス・クリステンセンが、リヴァプールの守備網の裏を突く動きからゴールを演出。決して派手な崩しではなかったものの、一瞬の隙を突いた爽やかな一撃でスタジアムを沸かせました。
先制を許したリヴァプールは、ここから焦りと危機感を同時に抱えながら試合運びを変えていきます。中盤の主導権を握るために、ポゼッションを高めつつ、少しずつサイドを使った展開を試みるようになります。そして、35分に同点のゴールが生まれました。アンディ・ロバートソンのボールからカウンターが発動、フーゴ・エキティケが中央から抜け出してゴールキーパーの下を冷静に通す決定的な一撃を沈め、かつて在籍していたクラブ相手に敬意を表しつつ歓喜を爆発させず淡々とネットを揺らしました。
この同点ゴールを機に、リヴァプールの勢いが一気に加速します。続く39分には、セットプレーのチャンスからヴァージル・ファン・ダイクが頭で叩き込み、逆転に成功。さらに44分には、またもやセットプレーからイブラヒマ・コナテがヘディングでゴールを奪い、前半だけで3-1と試合をひっくり返してしまいました。
フランクフルトはこの3分間での失点がショックだったのか、その後は攻撃の形を作れず、守備にも動揺が見え始めました。特にセットプレーからの被弾が続き、守備の組織と集中力に大きな課題が露呈しました。対するリヴァプールは、前半終盤までに試合をほぼ支配し、ボール保持率、シュート本数ともに上回る数字となりました。
後半に入ってもリヴァプールの攻勢は衰えず、66分にはフロリアン・ヴィルツのアシストからコディ・ガクポがサイドからの速い展開を仕掛け、冷静にネットを揺らします。70分には、ヴィルツが再び存在感を発揮し、ドミニク・ソボスライへのパスから彼が遠目からの強烈な一撃を放ち、ゴール左下に突き刺しました。これで5-1と話が決まったと言えるスコアに。
フランクフルトは後半途中に攻め手を求めて交代を行いましたが、リヴァプールの守備も安定しており、決定的な反撃をするには至りませんでした。リヴァプールゴールキーパー、ジョルジ・ママルダシュヴィリへのシュートも数本あったとはいえ、ほぼ守備網を固め、ピンチらしいピンチを最小限に抑えたと言って良いでしょう。 
終盤、モハメド・サラーが投入されるもゴールには至らず、試合終了のホイッスルが鳴ると、リヴァプールの選手たちは落ち着いた表情で互いにハイタッチを交わし、苦しいトンネルを抜け出したこの勝利の重みを噛みしめているようでした。フランクフルトの選手・サポーターにとってはあまりにも一方的な展開となり、ホームの雰囲気は前半の先制時の高揚感から、逆転された後は逆に沈黙に近いものとなっていました。
この試合は、リヴァプールが「先制を許してもひるまずに逆転する」というメンタリティを示した好例とも言えます。特に、前半35分から44分という短い時間帯で3ゴールを奪ったことで、試合の主導権を完全に自分たちのものとしました。フランクフルトにとっては、攻撃の布石を打ちながらも守備の弱点が露呈した瞬間と言えるでしょう。
リヴァプールはこの勝利で、長らく続いた不振から脱却する足掛かりを掴んだと言えます。フランクフルト側は、守備における集中力、セットプレー対応、そして流れを変えられたときのリスタートの速さという面に明確な改善課題を残すこととなりました。 

スタッツハイライト

これらの数字から読み取れるのは、リヴァプールが圧倒的にゲームを支配し、効率よくゴール機会を創出していたという点です。一方、フランクフルトはまず先制をしたものの、その後の攻撃の継続性を欠き、守備では数値以上に脆さを露呈したという印象が強く残ります。

選手寸評

●フランクフルト
  • ラズムス・クリステンセン:26分に先制ゴールをマークし、チームを勢いづけた。しかし、その後の守備では逆に攻撃に振り回され、ヘディングの対応やセットプレーからの守備でやや甘さが目立ちました。
  • マイケル・ツェッテラー(GK):序盤から何度か好セーブを見せたものの、前半の2失点は彼にとっても重く、守備陣からのサポートがやや不足していたと言えます。
  • 守備陣全体:前半終盤からリヴァプールにセットプレー絡みで3失点。明らかにマークの甘さ、距離感のミス、予測対応の遅さが露呈しました。
  • フーゴ・エキティケ:かつてフランクフルトに所属していた同選手が、35分に同点ゴールを決めた。冷静な仕上げと、ロバートソンからのパスを瞬時にフィニッシュに持ち込む判断が光りました。
  • ヴァージル・ファン・ダイク:39分にセットプレーからヘディングで勝ち越し。守備でも安定感を保ち、攻守にわたってリーダーシップを発揮しました。 
  • イブラヒマ・コナテ:44分にさらにヘディングで得点し、リヴァプールの勢いを加速させた。セットプレーでの攻守両面で貢献。
  • ロリアン・ヴィルツ:アシスト2つを記録し、特に後半の展開でアクセントとなる存在感を示しました。スペースを見出して攻撃を活性化させた点が評価できます。
  • コディ・ガクポ:66分にヴィルツからのクロスを冷静に決めて4-1に。攻撃に幅と深みをもたらす動きが目立ちました。
  • ドミニク・ソボスライ:70分、高精度のミドルを決めて5-1とし、勝利を確実なものに。中盤から攻撃への変換、そしてフィニッシュまで一貫した質を示しました。
  • ハメド・サラー:途中出場ながらゴールには至らず。調子の波が語られている中で、この試合でも十分なインパクトを残せなかった点は今後への課題と言えそうです。

戦術分析

リヴァプールの戦術
リヴァプールは、序盤こそ若干リズムを掴み切れない印象があったものの、先制を許してからの切り替えが秀逸でした。中盤でのパス回しから安定した支配(ボール支配率約65%)を記録し、サイドを主体に攻撃を展開。特にロバートソンらの左サイド、そしてヴィルツ/ガクポなど新戦力を含むアタック陣が、フランクフルトの左サイドを起点に深い侵入とクロスを繰り返しました。
セットプレーもこの試合のキーで、前半39分・44分の2得点はいずれもコーナーキックから魚雷のように飛び込んだファン・ダイクとコナテの頭によるもの。つまり、守備の質を上げるだけでなく、攻撃の手段としてのセットプレーに継続的に取り組んだ成果が出ています。
後半も勢いを緩めず、ヴィルツを起点に攻撃のテンポを上げ、サイドからのクロスと中盤の飛び出しを有効活用しました。特に相手ディフェンスが疲れを見せ始めたタイミングで追加点を奪い、相手に反撃の隙を与えない展開に持ち込みました。数字面でも大きく優位に立っており、シュート本数・枠内シュート数ともに圧倒しました。
守備面でも、フランクフルトのプレッシャーに対し前線からのチェイスを強め、ボールを奪った瞬間のカウンターを何度か見せました。前半の同点ゴールも、まさにその形から生まれました。攻守にわたって“流れを自ら作る”意識が感じられ、監督の戦術変更が功を奏した一戦だったと言えます。
●フランクフルトの戦術
フランクフルトは3-4-3(または変形)といった布陣を採り、ホームの声援を背景に積極的に前線へ出て行くスタイルを序盤に見せました。クリステンセンの先制ゴールも、その中で相手守備の裏に出た動きから得たものです。
しかし、先制後にリヴァプールの攻勢を受けた際に、守備のリトリートと連動性の低下が明らかになりました。特にサイドバック/ウィングの戻りの遅さ、中盤から守備ラインへの距離感が大きく、セットプレーでのマークが甘かったことが3失点に繋がりました。フランクフルトが“攻撃主体”で行く以上、守備の脆さは常にリスクとして付きまといますが、この日はそのリスクが現実のものとなりました。
また、攻撃面では決定機を生み出すところまでは至らず、シュート数・枠内シュート数ともに極端に少ない数字(それぞれ4本、1本)に終わりました。 (SI) これは、リヴァプールの圧力と守備の切り替えが機能した証左とも言えます。さらに、流れを変えられた後のリカバリーが遅く、後半に入ってからは守勢に回る時間が長くなりました。
●注目すべき点/振り返り
  • リヴァプールは「先制を許してもひるまない」という点を体現しました。とりわけ、前半35分~44分で3ゴールを奪った集中力が勝敗を決定づけました。
  • フランクフルトは、得点の後にリズムを維持できなかったこと、そしてセットプレーからの失点が致命的でした。今後、欧州レベルで戦う際には守備の構造や細部の改善が不可欠です。
  • 数字的には、リヴァプールが攻守において圧倒していたと言え、特に“枠内シュート数14本・コーナー10本”という攻撃バリエーションの多さが際立ちました。
  • フランクフルトとしては、先手を取った時点でそのまま押し切るか、少なくとも拮抗した展開に持ち込むための守備耐性をもっと構築する必要があると言えます。

ファンの反応

この試合を巡り、ファンの反応も多様でした。リヴァプールサポーターからは、「ようやく戻ってきた」「この勝利で流れが変わるかもしれない」という安堵と期待が感じられました。特に、苦しい時期を乗り越えたという意味で、チーム全体のメンタルが変わったという声もありました。スカイスポーツのコメンテーター、クリントン・モリソンは「危機は過ぎた。非常に支配的なパフォーマンスだった」とコメントしています。
一方、フランクフルト側のファンおよびクラブ関係者からは、失望の声が大きく、「序盤の先制は夢見たが、その後が……」「攻守のバランス、特に守備面に根本的な問題がある」という厳しい見方が目立ちます。実際、スポーツ取締役が選手たちに対して「もっと闘う姿勢を見せろ」と厳しい言葉を発しています。 
SNS上でも、「リヴァプールの逆襲が始まった」「フランクフルトはセットプレーでの失点があまりにも多すぎる」「このままでは欧州で厳しい戦いが続く」というファンの投稿が散見されました。特に、試合終了後のスタジアムの雰囲気変化について、「前半の歓声から後半の沈黙が悲しかった」という声もあり、クラブとファンの間にある“期待と現実”のギャップが浮き彫りになった一戦でもありました。

総評

この一戦を総合的に振り返ると、リヴァプールが自らのメンタリティと戦術を噛み合わせ、明確に勝利を手繰り寄せた試合と言えます。先制を許したにも関わらず、落ち着きを失わず中盤を支配し、サイド攻撃+セットプレーという二本柱を軸にフランクフルトを翻弄しました。数字面でも攻守において圧倒しており、まさに“一方的”とも言える内容でした。
一方でフランクフルトは、自ら作った先制点を活かしきれず、むしろその後の3失点によって流れを失ったことが痛恨です。攻撃における突破力やチャンス創出力は見せたものの、守備組織、セットプレーの対応、そしてゲームプランにおいてリヴァプールを上回るには至りませんでした。今後、欧州の舞台で勝ち抜いていくためには、こうした“敗因”を明確にして改善を図る必要があります。
この勝利により、リヴァプールはグループステージ突破に向けて大きな一歩を踏み出しました。逆に、フランクフルトは改めて自分たちの実力と向き合う機会を得たと言えるでしょう。今季欧州を戦う上での“警告”とも言えるこの5-1敗戦を、クラブとしてどう生かすかが問われます。
 

 


 


 


 

 
 
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