Kishioka-Designの日誌

Adobe/Flmora/Canva/STUDIO/CopilotなどのソフトウェアやIT関連の情報をお伝えするブログです。

2025年11月2日~11月8日:今週のITニュースヘッドライン

2025年11月2日~11月8日:今週のITニュースヘッドライン

youtu.be

European CommissionがAI法案の一部実施を“見送り”検討

欧州連合EU)の欧州委員会が、2024年8月に発効したAI法案(EU Artificial Intelligence Act)の一部条項について、米国政府および大手テック企業からの圧力を受けて実施を一時停止する方向で検討していると報じられました。
この法案は、AIシステムの開発・提供・使用に関わるリスクを「高リスク」「限定リスク」「最小リスク」といった区分で規制する仕組みを持っており、EU域内でのAIガバナンスの先行例として注目されていました。導入後も段階的な施行スケジュールを設けていたものの、今回、米政府や大手技術企業が「貿易摩擦を生むおそれ」などを理由に一部適用の先送りを要望。欧州委員会としては11月19日のデジタル規制簡素化に関する会合を控えており、その前の“調整”として一部条項を凍結する可能性を探っているとのことです。
ただし、委員会側は「AI法とその目的には完全にコミットしている」と改めて表明しており、停止検討は一部に限定される見込みです。
この動きは、規制の硬直化を避けつつイノベーションを促進したいという現実的なジレンマを反映しており、世界的にAI規制を巡る議論が一段と活発化する中での大きな転換点とも解釈できます。企業側も、このような「実施先送り」の可能性を見据えて対応を検討する必要が出てきそうです。

SoftBank Corp./SB Intuitions Corp.が国産LLM「Sarashina mini」を法人向けAPIとして提供開始

日本国内で、ソフトバンクとその子会社SB Intuitionsが、日本語に特化した軽量大規模言語モデル「Sarashina mini」を法人向けにAPI提供することを発表しました。
このモデルは、SB Intuitionsが構築した4600億パラメータ級の日本語モデル「Sarashina」をベースにしており、文化・ビジネス慣習を深く理解する能力を備えているといいます。今回発表された「Sarashina API」では、チャット補完(Chat Completion API)と埋め込み(Embeddings API)の2機能が用意され、企業のドキュメント要約、議事録作成、提案書作成支援、プログラミング支援、さらには複数AIエージェントが協調して動くシステムの構築まで視野に入れられています。提供開始日は2025年11月28日を予定しており、先行してソフトバンク社内で約2万人を対象に試験運用が行われていたと発表されています。
この発表は、国産LLMの実ビジネス活用が本格化する兆しとして注目され、日本語ネイティブのAI活用ソリューションという点で差別化が図られています。企業にとっては、グローバルな英語モデルとは別に、国内仕様・慣習に即したモデルを採用可能になる点が大きなポイントです。今後、業界別・用途別にカスタマイズされた日本語LLMの展開が加速する可能性があります。

量子通信に一歩前進—National Institute of Information and Communications Technology(NICT)が「和周波変換を介したエンタングルメント交換」の世界初実証

日本の情報通信研究機構NICT)が、2025年11月6日付で「和周波(Sum-Frequency Generation: SFG)を用いた単一光子間エンタングルメント交換」の世界初実証に成功したと発表しました。
量子通信における「エンタングルメント交換」は、量子ネットワークの中継点で量子状態を転送・拡張する重要なプロトコルであり、今回の実証は、「和周波生成」という光学的手法を介して単一光子同士でエンタングルメントを交換したというもの。従来よりも実験的に難易度が高い状況下での成果であり、量子通信ネットワーク・量子インターネット実現の鍵技術の一つとして期待されています。
この発表には、NICTのサイトに「Press Release」として掲載されており、国際的な研究競争の中でも示唆に富む内容と捉えられています。通信キャリアやインフラを担う企業にとっては、将来的に「量子暗号通信」「超低遅延大容量通信」などへの応用が見込まれ、国内外での競争力強化につながる可能性があります。あわせて、政府のBeyond 5G/6G政策の中でも脚光を浴びる成果なので、産学官連携の文脈でも注目です。

NTT DOCOMO BUSINESS, Inc.がPalo Alto Networks「Asia Pacific and Japan Partner Awards」で2部門受賞

NTT DOCOMO BUSINESS(旧 NTT Communications)が、Palo Alto Networksの「Asia Pacific and Japan Partner Awards」において、「Pinnacle Partner of the Year」と「Strategic Win of the Year(Cortex Cloud)」の2部門を受賞したと発表されました。
評価基準として、同社がPrisma AccessおよびCortex製品において著しい年間成長率(FY24:340%、FY25:132%)を達成している点、さらにグローバル顧客向けにセキュリティ運用基盤(AI駆動セキュリティ)を提供できる模範的パートナーである点が挙げられています。今回の受賞は、国内通信事業者としてグローバルITセキュリティ市場に適応し、AI・クラウドを活用したデジタルトランスフォーメーション(DX)を促進している証左と見ることができます。
この受賞を契機に、国内企業がより高度なセキュリティサービスを導入・拡張する流れが加速する可能性があり、セキュリティ市場全体が一段と活性化するものと予想されます。

Nomura Asset Managementのテックファンド、「AI株はバブルではない」との見解

国内最大級のテック株ファンドを運用するNomura Asset Managementの日本情報電子株式ファンドの運用責任者である福田康行氏は、2025年11月7日付の報道で「AI関連株はバブル段階には達しておらず、まだ“第2幕(second act)”が始まったばかり」との見解を示しました。
この発言は、世界的にAI関連銘柄の時価総額が高騰し、特に米国の大手チップメーカーなどが巨額の評価を得ていることに対する懸念が高まる中でなされています。福田氏は「今回の上昇は過熱ではなく、むしろこれから成長の本格化が期待できるフェーズ」と述べ、投資家に対して引き続きポジションを維持する構えを示しました。
この見解は、日本の機関投資家のAIに対するスタンスとしても興味深く、投資マネーの流れ・今後の資金運用戦略の方向性を探る上で示唆に富んでいます。もちろん、リスク管理を怠るべきではありませんが、AIという潮流の“ピーク到来”ではなく“さらなる深化段階”という読みが背景にあります。

日本株式市場、テック株主導で急落—Nikkei 225が約4%下落

2025年11月5日、日経平均株価(Nikkei 225)が朝方に一時2,000ポイント超の下落幅を見せ、約4%の下げとなりました。特にテクノロジー株が売られたことが背景にあります。
記事によれば、米国市場でのAI関連銘柄の軟調観測が伝わったことや、テック株のバリュエーションが改めて見直され始めたことが要因。国内では、特にSoftBank Group Corp.が大幅下落したほか、アドバンテスト、フルカワ電機などが軟調でした。
このような動きは、テックやAIといったテーマ株が潮目を変えつつある可能性を示しています。本格的なDX推進期の中で、過剰期待/過剰評価された部分が調整局面に入ったという見方もできます。企業としては、テクノロジーへの投資・成長戦略を改めて再検討するきっかけとなるかもしれません。

世界最大級の輸入博覧会で「未来技術」がテーマに—中国・China International Import Expo (CIIE)

中国・上海で開催された第8回輸入博覧会(CIIE)で、今回展示の焦点が「低空経済」「ヒューマノイドロボット」「グリーン/低炭素イノベーション」など、未来産業領域の技術・サービスに置かれていると報じられました。
同博覧会には、155の国・地域から4,100以上の海外企業が出展し、技術交流の場としてますます重要性を増しています。このように技術展示の“入口”としての国際博覧会が機能しており、IT・ロボティクス・グリーンテックなどがグローバルな競争・協働対象となっています。日本企業にとっても、海外技術動向を探るうえで重要な機会になるでしょう。
また、こうした展示の中には、AIやIoT技術、ロボットの実用化と関連するものが多く、IT/ハイテク企業としては「技術利活用の次フェーズ」「ビジネスの変革期」が来ていると改めて認識させられます。

今月のマーケット、AI関連への資金流入で米株式市場も上昇—テック株主導の展開

2025年11月3日、米国株式市場では、S&P 500が+0.2%、Nasdaq Compositeが+0.5%で反発。クラウド企業のAmazon.com, Inc.が史上最高値を更新するなど、AIインフラ向けの契約拡大が市場を後押ししました。
特に、AmazonがOpenAI Inc.と380億ドル規模のマルチイヤー契約を結んだことや、チップ大手Nvidia CorporationがUAE向け輸出認可を取得したことなどが、AI関連銘柄への強気を支えました。
この流れは、日本を含む海外市場にも波及しており、AI関連のインフラ投資期が本格化しているという認識を広げています。ただし、バリュエーションの急上昇を巡る懸念も根底にはあり、過熱感とのバランスをどう捉えるかが今後の焦点です。

世界規模IT会議、開幕—World Internet Conference 2025(中国・烏鎮)

中国浙江省の烏鎮で11月7日、「世界インターネット大会2025」が開幕しました。参加者1,600名以上、130以上の国・地域が参加し、「開かれた、協力的、安全かつ包摂的なデジタル・インテリジェントな未来を共に築く」というテーマのもと、24余りのサブフォーラムが予定されています。
この会議では、デジタル経済、文化遺産のデジタル保護、サイバーセキュリティ、AIガバナンスなど多岐にわたるテーマが議論される見込みで、IT・通信分野における中国の政策・国際協調の方向性を探る上でも重要なイベントです。参加企業・研究機関にとって、最新技術動向や国際標準化・規制動向を捉える格好の場となるでしょう。
特に、ICTをめぐる大局的な競争・協力構図が改めて浮き彫りになるため、日本や欧米の企業にとっては戦略的な視点を持つ必要があります。

個別化が進む「がんワクチン」の研究で、NEC Corporationが成果—“暗黙抗原(cryptic antigen)”の発見

日本のNEC CorporationとThe Japan Foundation for Cancer Research(JFCR)が、全ゲノムデータとAI技術を用して、従来発見が難しかった“暗黙抗原(cryptic antigen)”を予測・特定する共同研究成果を発表しました。
この研究は、がん治療の中でも注目されている「個別化ネオアンチゲンワクチン」の次世代アプローチとして、従来の既知ネオアンチゲンに加えて“機能未知領域(dark genome)”から得られる抗原を活用可能にするというもの。乳がんおよび軟部肉腫という、ネオアンチゲン出現率が相対的に低いがん種を対象にWhole-Genome解析を実施し、AIにより多数の暗黙抗原を予測。治療難易度の高いがん種に対してもワクチン適用の可能性を広げる知見とされています。
がん免疫療法の発展期において、IT/AI技術の貢献が改めて示された形で、ヘルスケア×IT/DXの結びつきがより深まることを示唆しています。企業・医療機関・研究機関ともに、こうした技術融合領域での競争・協働が今後さらに加速するでしょう。
 
 

 
#今週のITニュースヘッドライン
 
■Kishioka Design Blog
■Kishioka-Design日誌(はてなブログ
■note