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ライスが古巣に牙をむく:第7節アーセナル vs ウエスト・ハム 完全戦評

ライスが古巣に牙をむく:第7節アーセナル vs ウエスト・ハム 完全戦評

試合概要

2025-26シーズン、プレミアリーグ第7節。舞台はエミレーツ・スタジアムアーセナル対ウエスト・ハムというロンドン・ダービー。両者の対戦は伝統的にも注目を集める一戦だ。試合は最終的に 2-0アーセナルが勝利し、勝ち点3を獲得。これにより、アーセナルはリーグ首位に浮上する形となった。
得点は前半38分、元ウエスト・ハムの主将であるディクラン・ライスがエベレチ・エゼのシュートのこぼれ球を押し込んで先制。後半67分には ペナルティキックをブカヨ・サカが冷静に決め、勝負を決定づけた。
ただし、アーセナルにとっては喜びばかりではなかった。試合早々にキャプテン マルティン・ウーデゴール が膝を痛めて交代を余儀なくされ、さらに後半にはライスも体調を崩して交代となるなど、戦線離脱の不安を残す内容となった。
エスト・ハムは序盤こそ意気を見せたものの、終始アーセナルのテンポと支配力に押され、決定機を作るには至らなかった。得点こそ奪えなかったが、全体的には守備の耐久性を見せ、最小失点で切り抜けようとした形だった。

試合展開

キックオフ直後から、アーセナルは中盤でのポゼッションを意図した構えを見せた。3人構成の中盤(ウーデゴール、ライス、エゼ)によるコンビネーションと、サイドバックを絡めた幅の使い方が狙いと見られた。ウエスト・ハムはやや守備的布陣を敷き、速攻やサイド攻勢を警戒する形で序盤を凌ごうとしていた。
だが、開始1分も経たずウエスト・ハム側にチャンスが訪れる。コーナーキックからニクラス・フルクルクが頭で合わせるも枠を外し、手痛い先制機を逃す。これはアーセナルにとっては“目覚まし”となる出来事だった。
アーセナルはすぐに攻勢に転じ、主に右サイド、左サイド双方からボールを展開。特にブカヨ・サカやレアンドロ・トロサールのドリブルやカットイン、エゼの創造性を活かした中盤から前線への配球が目立った。だがウエスト・ハムの中盤守備は綿密にラインを引き、容易にはスペースを与えない。
13分あたりには Eze がゴール前で良い位置でシュートを狙うもわずかにバーを越える。ゴールの匂いは感じられるものの、決定打には今一歩届かない。
その後、試合は中盤での駆け引きと球際のぶつかり合いが中心となる。アーセナルは細かくボールを回しつつ、右サイドバック、ティンバー や左のサリバ→ カラフィオーリ経由での押し上げを試みる。特に ティンバーのオーバーラップ、裏をつく動きが時折ウエスト・ハム守備陣の背後を刺激する。
だが約 29分、思わぬアクシデントが発生。ウーデゴールが膝を抑えてピッチに倒れ込み、治療後もプレーが困難と判断され交代。彼の負傷は今後を考えると重くのしかかるアクシデントだった。
交代で入ったのは マルティン・ズビメンディ。この交代はダメージ修復だけでなく、試合のバランスを保つうえでも重要な変化をもたらすものとなる。アーセナルはそれでも攻勢を緩めることなく、前半終盤にかけて攻勢を強める。
そして迎えた前半38分、ゴールが動く。エゼのミドルシュートをウエスト・ハム GK アレオラが弾いたところ、こぼれ球をライスが強烈な一撃でネットに突き刺した。これが先制点となった。ライス自身、古巣対決というシチュエーションもあり、複雑な思いを胸に押し込んだ1点だった。
前半終了間際には、カラフィオーリのミドルがポストに直撃し、追加点の可能性を伺わせる。ウエスト・ハムも1点では耐え難いと見て、セットプレーなどからの反撃を図ろうと試みたが、前半のうちにはそれを実らせられず、1-0 で折り返す。
後半に入ると、アーセナルはややペースを落としつつも、相手の出方を窺いながら追加点を目指す展開に。ウエスト・ハムは反撃の芽を探し、中盤から前線へ縦パスを警戒しつつ前進を図る。セットプレーでの狙いやサイドチェンジを使って裏を取ろうとする動きも散見された。
だが、約67分、アーセナルに決定的な場面が巡ってくる。ウエスト・ハム DF エル・ハジ・マリック・ディウフ が ティンバーをボックス内で倒し、主審はペナルティを宣告。VARも議論した末に判定を変えず、アーセナルに PK が与えられる。
PK はサカが蹴る。冷静に右隅を狙い、キーパーの逆をついて決着点とする。これでスコアは 2-0。主導権をさらに確実なものとして、アーセナルの勝利色は濃厚になる。
試合終盤には両チームが選手交代を重ねて守備強化・疲労対策を施す。アーセナルはライスも体調不良で交代を余儀なくされるなど、選手層の厚さとマネジメント力が試される場面もあった。ウエスト・ハムは最後までゴールを取りに行く姿勢を見せたが、アーセナルの守備陣が粘り強くブロックし、追加失点は許さずタイムアップ。2-0 のスコアで試合終了となった。
この勝利により、アーセナルは強さと勢いを示す一方で、負傷退場者の課題も痛感する試合となった。一方ウエスト・ハムは苦しい戦いの中で必死に耐えたが、攻撃の工夫と質を欠き、得点を奪いきれなかった。

スタッツ・ハイライト

  • ボール支配率:アーセナル 約 69 %
  • シュート数:アーセナル 21本、ウエスト・ハム 4本
  • 予想ゴール(xG):アーセナル 約 2.73、ウエスト・ハム 約 0.49
  • 枠内シュート数:ウエスト・ハムは枠内に飛ばすことができず(0本)という報道もあり
  • コーナーキックやセットプレーのチャンス:ウエスト・ハムもコーナーやサイドからの仕掛けを試みたが決定機には至らず
  • パス成功率・中盤支配:アーセナルの中盤トライアングル(ライス-エゼ-ズビメンディ / ウーデゴール途中まで)は比較的正確なつなぎを見せ、ゲームのテンポをコントロール
  • 被シュート/被枠内:アーセナルは比較的少ない被シュートに抑え、守備・GKの安定感も光る
  • アーセナルにおける注目データ:サカの 200回目プレミアリーグ出場でゴールを記録する快挙、ライスの得点が “古巣キラー” に繋がる話題性
これらの数字からも、アーセナルが “支配 → 多くのシュート → しっかり守って勝利” という理想的な試合構造を描いたことが窺える。

選手寸評

アーセナル

ブカヨ・サカ
24歳にしてプレミアリーグ200試合出場を達成し、その記念試合で見事な PK を決めてチームを勝利へ導く。冷静さと強心臓ぶりを感じさせる選手。試合全体を通して右サイドでのドリブル突破、仕掛け、幅の制圧などを見せ、攻撃の起点として機能。評価は極めて高い。
ディクラン・ライス
元ウエスト・ハムのエースが、古巣相手に先制点を奪うという劇的な展開。彼の得点は“因縁”の意味合いを帯び、試合の流れを一気にアーセナル側へ傾けた。ただし、後半に体調不良を訴えて交代せざるを得なかった点は、将来の不安要素とも言える。
マルティン・ウーデゴール
試合冒頭から中盤の軸として期待されたが、膝を痛めてわずか30分ほどで交代。彼の離脱はアーセナルにとって痛手であり、今後の復帰時期によってチーム戦力にも影響しそうだ。
マルティン・ズビメンディ
代替投入されて中盤のバランスを保った。オデガー不在を補い、攻守両面で堅実な対応を見せ、Eze との連動性も改善をもたらしたと言える。
ビクトル・ギョケレス
試合中に何度かチャンスを作る動きは見せたが、最後の決定力には乏しかった。ポスト当てやクロスからのヘディングなどで惜しい場面はあったものの、今節は得点を奪えず不満の残る働きだった。
守備陣 & GK
守備ライン(サリバ、ガブリエル、カラフィオーリら)は比較的安定した対応を見せ、特に危機的状況を許さず。GK のセーブやポジショニングにも光るものがあった。全体として守備の時間帯をうまく乗り切った印象。

エスト・ハム

アルフォンセ・アレオラ(GK)
Eze のシュートを弾くなど、一定の仕事はしたが、ライスのゴールで防ぎきれなかった。また PK を止めるまでの驚異的な仕事はできず、守備ラインとの連携という面でも課題を残した。
エル・ハジ・マリック・ディウフ
PK を献上したファウルは決定的なミス。守備意識とポジショニングにやや甘さが見られ、アーセナルのラストパスや侵入を阻止できなかった点で評価を落とす。
マグッサ / パケタ
中盤でスペースを埋めつつアーセナルに自由を与えない努力を見せたが、創造性や前線へのつなぎに乏しく、攻撃への厚みを出すには至らなかった。
フルクルク / ボウエン / サマーヴィル
前線ではフィジカルや競り合いで意欲を見せたが、ラストパスやゴール前での質を欠いた。相手守備陣の統率と集中力の前にアイデアを出すことができなかった。

戦術分析

この試合は、アーセナルが「主導権を握り、支配しながら攻撃を組み立て、相手を崩して決定力で仕留める」構図を目指した戦術が概ね成功した形となる。以下、細かく見ていきたい。

アーセナルの戦術:支配 → 多様性 → 決定力

  1. 中盤のトライアングル構成
     ウーデゴール(前方リンク型)・ライス(ボックス内飛び込み可能なミッド)・エゼ(創造性重視)という組み合わせは、攻守連動性と中盤での選択肢を両立する布陣だった。ウーデゴール不在後もズビメンディが入ることでその構造を大きく崩されず、ゲームの軸を維持できた。
  2. 幅の活用とサイド攻撃
     サイドバックおよびウイングの動きを使い、幅を使って守備ラインを広げ、中央への侵入を演出する意図が明確だった。ティンバーのオーバーラップ、サイドチェンジ、縦への仕掛けといった動きはウエスト・ハム守備を揺さぶる要素となった。
  3. 中盤からの飛び出しとこぼれ球回収
     エゼやライスが中盤から顔を出す動きがゴール直結につながった。実際にライスの得点はこぼれ球を押し込む形だった。中盤の選手がゴール前まで飛び込みを見せる布陣は守備陣に対する負荷を増す。
  4. 守備統制とリスク管理
     ボールを奪われた際には即時奪回、守備ラインの整列、相手のカウンターを意識した戻りの速さが目立った。特に後半、追加点を得た後はリスクを抑えつつも試合を支配し続けた。選手交代で守備基盤を強化したことも奏功している。
  5. 決定力発揮
     多くのシュートを放ちつつも、実際にゴールに結びつける力が勝敗を分けた。PK やこぼれ球の活用という典型的だが重要な場面できっちり決め切るところが “強さ” を象徴している。

エスト・ハムの戦術:守備的抵抗 → 反撃模索

  1. 低めブロック &整理守備
     序盤から後方に人数をかけ、中央への侵入を警戒。アーセナルが幅を使って崩そうとする攻撃を抑えようとする形を取った。しかし、中盤での連動性・自由度がやや欠け、隙を見せやすい構造となっていた。
  2. カウンター狙い・速攻の仕掛け
     ウエスト・ハムは速攻、サイド攻勢、対角への縦パスを使ってギャップを突こうとした。だがアーセナルの中盤・守備ラインが慎重に守り、連続性ある攻撃にはつなげさせなかった。
  3. セットプレー起点の期待
     コーナーキックやクロスを活用しようとする試みは幾度か見られたが、質とタイミングで及ばず。守備集中のアーセナル陣内を崩すまでには至らなかった。
  4. 交代と若手投入
     後半交代でフレディ・ポッツ、カラム・マーシャルらを投入して攻撃色を強めようとしたが、守備から立て直す余裕はなく、時間が味方しなかった。
総じて言えば、ウエスト・ハムは守備優先の構えで最小失点を志向しつつ、一発逆転の芽を狙うという戦い方を選んだが、相手の支配力と決定力の前には屈する形となった。

ファンの反応

  • 「ライスが古巣にゴールを決めるなんてドラマみたいだ」「これだからサッカーは面白い」
  • 「サカの冷静な PK はさすが。200試合記念ゴールとはこれ以上ない演出」
  • 「オデガーの負傷は心配。彼がいない時間帯の戦力低下が今後懸念される」
  • 「ズビメンディの投入が意外とハマった。代役としての期待が高まる」
  • 「ウエスト・ハムは守備は必死だったが、攻撃のアイデア・精度が足りない」
  • アーセナルの支配力を改めて感じた。強さと幅を兼ね備えてきた」
  • 一部では判定への批判も。「PK の判定はギリギリだった」「VAR は真剣に見直すべきだ」といった声も散見された

総評

このアーセナル vs ウエスト・ハム戦は、支配と攻撃構築力、そして決定力においてアーセナルが一枚上手だったという印象を強く残す一戦だ。試合全体を通して、アーセナルは中盤を固めつつサイドと中央を使い分け、相手を崩す戦術意図を明確に持っていた。ウエスト・ハムは守備体制をベースとしつつ反撃を狙ったものの、その攻撃を精度と継続性で形にできなかった。
ただし、アーセナルにとって最大の懸念は負傷者の続出だ。オデガーの膝、ライスの体調不良といったアクシデントが試合途中で発生した点は、チームにとっては重い課題となる。今後のスケジュール、連戦対策、選手起用の柔軟性が問われることになるだろう。
この試合で得られたものは、勝利という形だけでなく「支配力に裏付けられた勝ち方」という自信と構築性の証明と言える。リーグ首位というステージでこのような勝ち方を示せたことは、シーズン後半戦に向けてポジティブなメッセージだ。
エスト・ハムにとっては、守備で踏ん張った時間帯もあったが、攻撃へのアイデアと精度を上げなければ降格圏圏内脱出は難しい。監督交代から時間が経っていない現状も踏まえると、構築と連携を深める期間が今後の鍵となる。
最後に、戦術と意図だけでなく、選手の意志と判断、そして一瞬の集中力で勝負が分かれた試合であったと言える。アーセナルはこの勝利で勢いを得たが、今後の戦いでは怪我人をどうケアしつつ攻守のバランスを保つかが、タイトル争いを左右する要素になりそうだ。
 

 

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