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堅守が鍵を握ったロンドンダービー:フラム × アーセナル 第8節戦報

堅守が鍵を握ったロンドンダービー:フラム × アーセナル 第8節戦報

試合概要

10月18日(現地時間)、プレミアリーグ第8節において、〈フラムFC〉(ホーム)対〈アーセナルFC〉(アウェイ)がロンドン・クレイヴンコテージで対戦しました。試合はアーセナルが1‐0で勝利を収め、勝点3を獲得しました。
唯一のゴールは後半58分、アーセナルのセットプレーから生まれたもので、ベンチ入りからチャンスを活かした レアンドロ・トロサール がネットを揺らしました。
加えて、フラムは今節試合中に主力の負傷交代があり、守備面・展開面で苦しい状況を強いられました。
アーセナルとしては、この勝利によりリーグ首位を維持するとともに、相手にショットを1本も許さないという堅守ぶりを示しました。

試合展開

キックオフから序盤、フラムはホームの利を活かしてやや積極的に仕掛けました。立ち上がりからアーセナルに対してプレッシャーをかけ、中盤でのポジション争いに勝とうとする意図が明確でした。対するアーセナルは、やや慎重な入りで、ビルドアップには多少時間を要しました。両チームともに特徴的な戦術を探りながら、試合は進んでいきます。
●前半
試合開始直後から、フラムは右サイドの攻めを意図し、例えば開始6分にはアーセナルのサカが右から持ち上がった場面をフラムが割って入り、ややリズムをつかみかけます。また10分付近には、キングらが攻撃参加し、ジメネスへのパスを通そうという動きも見られました。
一方アーセナルは、ザビメンディやライスを中心とした中盤でのボール保持を試みるものの、フラムの守備ブロックの前で決定機を作り切れず、また前半中盤に至るまでは有効なシュートを記録できずにいました。実際、34分時点でアーセナルは枠内シュートを記録しておらず、フラムの守備が機能している状況でした。 
ただし、アーセナルにも決定機になりかけたシーンがありました。例えば15分付近に、ティンバーのロングボールにトロサールが反応し、そこからカルァフィオーリが豪快なシュートを放ったものの、惜しくもオフサイド判定で取り消されました。
フラムとしては、トム・ケアニーの負傷もありつつ、ジメネスとウィルソンを軸にした攻撃でアーセナルのディフェンスを揺さぶろうとしましたが、フィニッシュの精度やラストパスの質があと一歩という印象でした。たとえば26分、キングからウィルソンへと抜け出しが試みられましたが、アーセナルのガブリエルらが適切に処理。
前半終了時点ではスコアレス。両チームともに守備面は安定しており、アーセナルはまだ本来のペースを掴み切れていない印象、フラムは守備陣形を保ちながら攻撃の機会を探す展開となっていました。
●ハーフタイム~後半開始
後半に入ると、アーセナルの流れが徐々に変わります。キックオフ直後から右サイドをサカが起点に仕掛け、トロサールも絡んで攻撃のテンポを上げます。48分にはサカからのクロスでチャンスを作り、トロサールがシュートを打つ場面がありました。
続いて50分、またサカが持ち上がる場面からギョケレスがボックス内へ侵入。アーセナルの攻撃がやや優勢となり、フラムは守備陣を引き締めながらも反撃を狙います。51分にはウィルソンが25ヤード付近からミドルシュートを放つなど、フラムも意図を持って押し込もうとしました。
そして、58分。アーセナルが決定的な場面をモノにします。サカの右からのコーナーキックをガブリエルが頭で触り、こぼれたボールをトロサールが詰めてネットに押し込み、ついに均衡を破りました。これが試合唯一の得点となります。
得点後、アーセナルはさらに流れを掌握しようとし、フラムは追いかける立場に。65分にはサカがペナルティエリア内で倒されるような場面もあり、ペナルティの笛が一度は鳴らされましたが、VARによる確認の末「相手がボールに触っている」として判定は覆されました。
それ以降、アーセナルは守備ブロックをやや低くしてリスクを抑えつつ、カウンターやサイドからの仕掛けを狙い、フラムは最後まで攻撃の手を緩めずにゴールを目指しました。終盤にはフラムがコーナーキックやサイド攻撃を仕掛けて何度かチャンスを作りましたが、決定機には至らず。アーセナルは90分+αを通じて冷静に時間を刻み、1‐0で勝利を維持しました。
全体を通して、派手な展開ではなかったものの、アーセナルが求めていた勝利を冷静に掴み、フラムも内容的には悪くなかったながら、決定力と運の要素が足りなかったという印象の試合でした。

スタッツハイライト

  • 得点:アーセナル 1 – 0 フラム(後半58分:トロサール)
  • フラムが枠内シュートを 0本 に抑えられた。
  • アーセナルは直近2試合で「相手の枠内シュート0本」に抑えており、これは前回優勝時の2003-04シーズン以来の達成。
  • アーセナルの勝点:8試合で19ポイント。首位キープ。
  • フラムは前半・後半通じて守備には手応えを持ちながらも、攻撃での決定機の数と質がやや不足。
  • アーセナルはセットプレー(特にコーナーキック)からの得点に成功。トロサールのゴールはコーナー起点。

選手寸評

  • レアンドロ・トロサール:この試合のヒーロー。後半58分にコーナーからネットを揺らした一発が勝利をもたらしました。ゴールのみならず、攻撃参加・ポジショニングともに改善の跡が見え、チームにとって重要なピースとなりつつあります。
  • ブカヨ・サカ:右サイドを主戦場に、積極的に仕掛けとクロスを展開。コーナーキックから勝利の起点を演出し、自らもチャンスを創出。チームの攻撃に勢いを与えた存在でした。彼自身も「我々にとっては大きな勝利だ」とコメントしています。
  • ガブリエル:守備陣の中心として、フラムの攻撃を何度も跳ね返し、頭でのクリア・体の張った守備で安定感を見せた。トロサールの得点の起点ともなったコーナーのヘディングも評価に値します。
  • ライス/スビメンディ:中盤でのボール回収・配給という点で役割を果たしましたが、前半はやや機能が落ちていた印象も。ただ、後半に入ると流れを変える動きも出て、チーム全体が攻守において落ち着きを取り戻しました。
  • ヒメネス(フラム):前半から積極的に中盤〜サイドを使ってアーセナルの守備を揺さぶろうとしたが、決定機をものにできず。守備ブロックの前での攻撃展開は良かったがラストパス・シュートの精度に課題あり。
  • トム・ケアニー(フラム):キャプテンとしてゲームのテンポを作ろうとしましたが、肩などの負傷もあり途中から動きに制限が出たようです。ゲームを通じて存在感はあったが、最後まで100%の力とは言えない状況でした。

戦術分析

この一戦を振り返ると、アーセナルは「守るべき時には守り、攻めるべき時にはセットプレーから仕掛ける」というメリハリのある戦いを展開しました。ホームのフラムは、まず守備を固めながら、カウンターやサイド突破を狙う構成。対してアーセナルは、サカ・トロサールを両翼として左右の揺さぶりを試み、前線のギョケレスもボックスに張り付くのではなくサイド/中への動きを加えてフラムの守備を引き伸ばしました。
セットプレーからの得点という点が象徴的で、アーセナルは準備されたコーナーキックからガブリエルのヘディングを起点にトロサールが詰める形を最後まで温存。これに対してフラムの守備構造がやや当てられた印象があります。フォーメーション的にはアーセナルが中盤を3人(ライス・ザビメンディ・イゼ)で構成し、左右に幅を取りながらも、守備時にはボランチが戻って5バック気味に守ることでフラムの攻撃に対抗。実際、フラムの枠内シュートを許さなかったという数字が、守備の完成度を物語っています。
フラムは、前半は特に中盤の守備的コンパクトさを維持し、アーセナルのサイドの仕掛けに対して数的優位を作ろうとしました。ただ、攻撃に持ち込む際、ギメネス/ウィルソンからのラストパスや決定機の精度にもう一歩という場面が散見されました。後半、アーセナルに先制されてからは攻守のバランスが崩れやすく、どうしても縦に急ぐ展開になったため、アーセナルのカウンターや守備ブロックの崩しに対して隙が出てしまった印象です。
また、アーセナルは「相手にシュートを打たせない」=守備の安定性を重視しており、試合全体を通じてそれを体現しました。これにより「1点を取って守る」という構図が非常に効果的に働いたといえます。一方で攻撃面では完全に満足とは言えず、もっとテンポを上げてチャンスを増やすべきという改善点も浮かびました。

ファンの反応

アーセナルのファンからは、この勝利に対して「内容が物足りなくても、勝点3を取ったのは成果」「守備が機能しているのは今後に向けて希望が持てる」といった声が多く聞かれました。例えば、サカが「試合は我々にとって重要だった」と語ったことも印象的です。
一方、フラムのファン/サポーターからは、「惜しい試合だった」「攻撃であと一息だった」「負傷者が出たのが痛かった」という反応が中心。監督の発言としても「準備はできていたが、最後の精度が…」といった趣旨のコメントがありました。
ソーシャルメディア上でも、アーセナルが今季は「勝ち切る体質」が付いてきたというポジティブな声が目立ち、また「セットプレーからの得点が増えてきた」「守備が安定すれば優勝も現実味を帯びる」という期待感が高まっています。
また、フラム側については「内容としては悪くなかったが、相手が強かった」「次こそは決め切りたい」という反省と前向きな声も見られます。

総評

この一戦において、アーセナルは「勝つこと」「守り切ること」を優先し、結果を掴むために必要な要素をしっかりと揃えました。1‐0というスコアを見れば最小限の勝利ですが、その裏には準備されたセットプレーからの得点、相手に枠内シュートを許さない鉄壁の守備、そして試合を進める中での冷静な運びがありました。前半は苦しんだものの、後半に流れを掴めた点も高く評価できます。
一方、フラムは守備の面では堅さを見せたものの、攻撃の決定力・運びの質という点で一段階上の相手に差を見せられた格好です。特にホームでの勝利を目指していた中、気持ちの入ったプレーも随所に見られましたが、あと一歩というところで切り札を欠いた印象があります。また負傷交代も響いたでしょう。今後はその攻撃的なラストワンパス、シュート精度を高めることが求められます。
今の時点で、アーセナルは首位に立ち、「優勝を狙えるチーム」という印象をより強めました。守備の安定という「勝利の基盤」を確立しつつあり、あとは攻撃においてバリエーション・スピード・決定力をさらに上げていくことが、タイトル獲得への鍵となるでしょう。フラムにとっては、今回の敗戦を次へつなげるためにも「内容を勝ちにつなげる」攻撃設計を整えることが急務です。
いずれにせよ、このロンドンダービーはアーセナルの成長を象徴する試合となり、今季のプレミアリーグにおける彼らの優勢を一層印象づけるものになりました。
 

 


 


 

 
 
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